パンサー、ジャングルポケット、森三中、ネプチューン…。テレビなどで活躍を続ける彼らの特徴は、トリオであるということ。コンビで活動するお笑い芸人に比べて、数は少ないが、古くから独自のポジションを築いてきたと言っていい。トリオで活動する彼らの強みはどのようなところにあるのだろうか? そして売れるトリオの特徴とは? お笑い評論家のラリー遠田さんに聞いた。
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3人でやることで、よりお芝居に近いというか、演劇的なことができるようになる強みがあります。そもそもお笑いは、ボケとツッコミの関係性で成り立っていますよね。全員が変な人だと成り立たないので、1人変な人がいて、それに対する“普通の人”がいる、それがボケとツッコミですが、3人いることで、もうひとつの役割ができるんです。
例えば、ダチョウ倶楽部ならネタの中で、肥後(克広)さんが司会者の役割をして、寺門(ジモン)さんがお客さんをあおって、上島(竜兵)さんがおでんを食べるみたいなことができるわけです。寺門さんが上島さんの腕を押さえつけて、肥後さんが上島さんの口に無理矢理おでんを入れるみたいなこともできるじゃないですか。ボケとツッコミをはるかに超えて、さまざまな展開が考えられるんです。
多くのトリオは、結成のきっかけは、最初から3人で活動するというよりも、コンビに1人が加わる、ということが多い。
たとえば、ネプチューンは元々原田(泰造)さんとホリケン(堀内健)さんがコンビで活動していて、後から名倉(潤)さんが加わった。名倉さんは組んでいた別のコンビが解散したので、2人といっしょにやることになったんです。
当時原田さんとホリケンさんがやっていたネタは、面白いけれどメリハリがなく伝わりづらいという感じのもの。今のホリケンさんの芸風から想像できると思うんですけど、2人だけの世界観といいますか。そこに関西弁ではっきりツッコミを入れられる名倉さんが加わったことで、ネタにまとまりができたんです。1人プラスされることでコンビの足りないところを補うことができる。トリオとして成功するひとつのパターンです。
東京03も同じです。もともとは飯塚(悟志)さんと豊本(明長)さんがコンビで、別のコンビが解散した角田(晃広)さんが加わった。飯塚さんがコンビのネタを考えていたのですが、コンビに行き詰まりを感じていたところに角田さんが入ったんです。角田さんもネタを作るタイプだから、ネタを作る人が2人に。つまり、頭脳が2つになった。その結果、今までにない新しいネタができるようになっていったんです。