投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、3月3日~3月7日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は、米国2月の雇用統計を見極めつつ、リスク回避の円買い要因となっているウクライナ情勢、中国人民元の動向を見極める展開となる。
【ウクライナ情勢】
ウクライナ暫定政権は、対外債務残高731億ドルに対して、年内の支払い136億ドルを行うため、2年間で350億ドルの金融支援が必要と要請しており、デフォルト(債務不履行)懸念が払拭されない状況が続く。懸念要因は、国際通貨基金(IMF)や欧州連合(EU)からの金融支援が5月25日に予定されている大統領選挙以降に実施される可能性、欧州連合寄りの西部ウクライナとロシア寄りの東部ウクライナの分裂の可能性、ロシアによる軍事介入の可能性など。
【全国人民代表大会】(中国・5日から)
中国人民銀行は、米ドル買い・中国人民元売りの「非不胎化」為替介入により、中国人民元安誘導を行っている。背景には、全国人民代表大会に向けて信用バブル崩壊を防ぐための流動性供給、大会後に発表されると予想されている中国人民元の許容変動幅拡大(1%から2%へ)に向けた措置などが噂されており要注目か。
【日本の2月上中旬貿易収支】(7日)
1月の日本の貿易赤字は、過去最高規模の2兆7900億円に拡大した。2月上旬の貿易収支は-2999.20億円の赤字だったことで、上中旬の貿易赤字も拡大基調が予想されており、円安要因となる。
【米国2月の雇用統計】(7日)
米国2月の雇用統計の予想は、失業率は6.6%で1月の6.6%から変わらず、非農業部門雇用者数は、前月比+15.0万人で、1月の+11.3万人からの増加幅の拡大が見込まれている。イエレン第15代FRB議長は、1-2月の米国の経済指標が軟化している一部要因は悪天候に拠るものであり、程度の見極めに時間が必要、と述べている。12月分と1月分の修正を見極めつつ、ネガティブ・サプライズに警戒する展開となる。
【リパトリ】
3月期末決算に向けた本邦機関投資家によるリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)により円買い圧力が強まることが予想される。
3月3日-7日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。