「最近全然来てくれないじゃない!」と、怒っているわけではない。彼女たちは、愛する銀座の街を守ろうと立ち上がったのだ。
「客引きを許さないぞー!」
凛とした声が夕刻の並木通りに響き渡ったのは、2月20日のこと。艶やかな着物に身を包んだ高級クラブのママたちが、“客引き撲滅”を訴え、警察官らとパレードを行なった。
近年、銀座では悪質な客引きやぼったくりが増加。昨年1年でも、通報が80件、26人が検挙されている。
「かつての銀座ではありえないお話です。本当に許せません。お客様に安心して伝統と気品ある銀座を楽しんで頂くためにも、これからも声をあげてしっかり守っていきたい」(クラブ・グレの山口さゆりママ)
座っただけでウン万円という高級クラブのママたちを怒らせたら、それは恐ろしいこと間違いない。今後も月に2~3回、有志でパトロールを続けていくという“夜の蝶”たち。戦いは始まったばかりだ。
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2014年3月14日号