膝上約15cmのミニスカート姿で乗客をおもてなし――。スカイマークが5月から国内路線で順次導入する仏エアバス製の旅客機「A330」。そのアピールも兼ねて先行お披露目されたCA(客室乗務員)の制服が物議を醸している。
「セクシー路線で下品」「セクハラを誘発する」「保安業務に支障が出る」などの指摘が噴出。ついには航空労組連絡会に加盟するCA約1000人でつくる「客室乗務員連絡会」が、国土交通省や厚生労働省にスカイマークへの指導を要請する事態になっている。
果たしてミニスカ制服はありかなしか。『ファーストクラスで学んだひとつ上のおもてなし』などの著書がある元国際線CAで人財育成コンサルタントの美月あきこさんに聞いてみた。
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――スカイマークのミニスカ制服。率直にどう感じましたか。
美月:確かにやや上品さに欠け、嫌悪感を抱く女性も大勢いらっしゃるでしょう。ただ、私は健康的でとても素敵だなと感じましたし、世の中の批判は多少ヒステリックな反応をしすぎなのではないかとも思いました。
――かつてJALも膝上15cmのスカートを採用したことがありますが、本当に業務に支障が出るほどの短さなのでしょうか。
美月:経験者の立場で業務内容を考えると、CAは下の荷物を背伸びして棚に上げたり、逆にかがんだりといろんな姿勢を取るので、スカート丈が短いと気になるだろうなと思います。だから今は立ったときは膝下ギリギリのライン、座ったときには膝の中心ぐらいになるようなスカート丈を採用している航空会社が多いのです。
また、CAは離着陸のときにはお客様と向かい合ってジャンプ・シートに座ることもあるので、膝上15cmではスカートの中が見えてしまう可能性があります。そこはスカートの下につける同色の衣類や、制服に合った立ち振る舞いをトレーニングすることなどで対応するしかないでしょうね。
――そこまで男性の視線を集めると、やはりセクハラの誘発要因になるのでは。
美月:ミニスカートの制服を着たCAが機内を歩き回っているからといって、すぐにセクハラが増えるとは限りません。経費削減で品質の悪い薄いブラウスで下着のラインがクッキリという制服だってありますし、ミニスカートだけがセクハラの要因になるとは思いません。
男性の心理からしても、健康的に足を露出している女性に対してはむしろセクハラをしようという気持ちにはならないのではないでしょうか。
――スカート丈が長ければセクハラは起きないという考え方も確かにおかしい。
美月:そうです。今回の批判には「女性を商品として見ている」という声もありますが、そもそも大手の航空会社だってCAを“会社の看板娘”のように扱い、芸能人並みの写真集まで出していた時代があったわけですからね。
CAは大事な「保安要員」であると同時に、女性ならではのきめ細やかやおもてなしを商品として売っている「サービス要員」の側面もあります。各航空会社がスカートの制服を採用し続けている時点で、女性的な外見をアピールしている証拠です。
航空会社が乗客に提供したいサービスや企業イメージが現在の「スカート姿」であるならば、スカイマークのミニスカートだって「あり」だと思います。