遊び人たちが夜な夜な繰り出す街として知られる東京・西麻布。最近、その界隈で大流行している飲食店業態がある。「リミテッド(会員制)ラウンジ」だ。
会員しか入店できないキャバクラのような場所で、会員になるためには職業や年収に制限があったり、他の会員からの紹介が必要だったりする。弁護士や医者、一流企業の社員から、芸能人やスポーツ選手、政治家、IT長者といったセレブが主な客層だ。
キャバクラだと風営法で深夜1時までしか営業できないため、この手のラウンジはレストランバーという名目で朝方まで営業している。女性は客として店を訪れたというかたちにし、男性客の横について“接客”をする。給料は別会社から支払われる仕組みになっており、あくまで店側は客同士が飲んでいるという体裁をとる。
そんな業態が最近、流行している理由は、美女ぞろいだからに他ならない。人気店Aで働く舞子(20)がいう。
「私服でOKだしノルマもない。時給も3000円以上なので、ラクで稼げるからとかわいい子が集まってる。それ以上に私たちがいいなと思うのは客層。六本木や歌舞伎町のように怖い人はいないし、お洒落なセレブが多い。
芸能関係者だって来るので、中には芸能界へのツテを求めるタレントの卵や、パトロンを探すグラビアアイドルもいる。実際、少し前までグラドルのTちゃんも働いていて、某大手企業の会長の愛人になっちゃった。私も素敵な人だったら愛人になってもいいかな」
他店の店長が続ける。
「ウチにいる子の半分ぐらいは芸能事務所に所属している女優やタレント、モデル。芸能の仕事だけでまだ食べていけないという子が働いていて、中には事務所から“芸能の仕事が入ればいつでも休ませられるという条件で、この子を働かせてほしい”とお願いされることもある」