3月31日、32年の歴史に幕を閉じた『笑っていいとも!』(フジテレビ系)。最後のテレフォンショッキングにゲストとしてよばれたのがビートたけしだった。フジテレビマークの紋付き袴で現われたたけしが読み上げた「タモリへの表彰状」を全文公開する。
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表彰状 タモリ殿
長らく『笑っていいとも!』の司会を務めてきたタモリさんに私から表彰状を贈りたいと思います。
ちなみにこの表彰状は全てゴーストライターが書いたもので、私とは一切関係がないことをご了承ください。
本日は32年間続いた国民的長寿番組『笑っていいとも!』の最終回という晴れの日に、世界的人気映画監督であり、高額納税者人気タレントでもあり、更に総理大臣にしたい男5年連続ナンバーワン、上司にしたい男3年連続ナンバーワンという人気と実力を兼ね備えた超一流タレントである私を呼んでいただき、誠にありがとうございます。
私と『笑っていいとも!』の思い出といえば1983年2月、理屈ばっかり言っていた田中康夫が気に食わず、生放送中に乱入し、首を締め上げたこと。その結果翌日のスポーツ新聞には『たけし心身症』と書かれてしまったことは、今となってはいい思い出です。
「いいとも青年隊」も忘れるわけにはいきません。
かつて女を騙し金をせしめ、そして詐欺恐喝で訴えられたH賀研二さん。パチンコでマンションを買ったと威張っていたK保田篤さん。いまだ『世界 ふしぎ発見!』でしか姿を見ることのないN村真さん。更には『いいとも青年隊』卒業後ホームレスになってしまったK田健作さん。そして全く売れなかった萩本欽一さんのところのあさりど等々、数々の一流タレントを輩出してきたことを忘れてはいけません。
そして何といってもこの番組の名物コーナーであるテレフォンショッキング。友達を紹介するという名のもとに、いきなり電話をして出演をお願いするという斬新な企画でありました。
しかしながら女優の矢田亜希子さんが大竹しのぶさんを友達として紹介した時、思わず「はじめまして」と言ってしまった。これを聞いた時、私はショックのあまり耳が聞こえなくなりました。得意の作曲活動を諦めなければいけない事態に陥ってしまいました。改めて芸能界というのはヤラセの世界だなぁと痛感した次第でございます。