財布の中身は、1円、5円の小銭で重くなるばかり。消費税が8%に上がり、肝心のお札はどんどん減っていく。
家計を預かる主婦の焦りは、アンケート調査にはっきり表れた。増税直前の3月、本誌が全国の既婚女性360人に行ったアンケート調査では、3人に2人が節約を考え、このうち「食費を削る」という人が65.9%にものぼった。
しかし、家計再生コンサルタントの横山光昭さんは言う。
「食費はすでに切り詰めている部分でもあり、月5000円削るのも厳しいはず。食生活でストレスを感じると、反動で他の出費を増やしてしまう失敗も多数あります。節約に成功している人は、食費だけに偏らず生活全般の見直しをしています」
そこで、参考にしたいのが、一足先に家計見直しを達成した人の成功例。
家計簿をつけるなど、“きっちり派”の津川智子さん(仮名、35才)は、夫(44才)、長男(7才)、次男(6才)の4人家族。もともとお金についてはよく考えるほうだという。
「増税だから支出が増えるのは仕方ない…と思ったら負け。ずるずる使ってしまったら、10%に上がったときには家計が赤字になっちゃう。何が何でも“現状維持”と決意しています!」
津川さんは毎月、食費と日用品費を合計月6万5000円の予算内でやりくりしてきた。しかし、消費税が3%上がると約2000円の負担増に。水道光熱費など他も上がることを考えると、4月以降は家計全体で月5000円も負担が増える。
「ならば、あらかじめ5000円節約しておこうと、1月から家計を見直しました」
まずは、食費や日用品費、レジャー費などを細かく節約。意外とかかっていた予算外の出費を削るため、あえて「自分の小遣い」として月1万円を持ったことも節約に大きく貢献したという。
専業主婦が小遣いを持つことに後ろめたさを感じることも多いが、ご主人とはどう話し合いを?
「夫には小遣いを“言い値”の5万円であげる代わりに、家計は私が支配。増税で大変という空気を出し、小遣いの追加のお願いを暗にブロックしています。
予算内で私が笑顔でやりくりするための1万円なら文句ないはず(笑い)」