新築物件ならある程度、周辺の相場と照らし合わせて価格が形成されますが、とりわけ中古物件というのは、売り主になにがしかの事情があるケースが少なくありません。
たとえば借金返済で困っていたり、相続で分割するために現金化を急ぎたいケース。あるいは買い換えを計画していて早く売りたいという例もあるでしょう。駅から遠いなど立地がよくなかったり、容積率オーバーで再建築が不可能な物件など、物件自体に問題があるケースも散見されます。
こうした事例だけに限らず、不動産の市況はタイミングによって大きく変動します。特に不況下では、売り主の多くが現金化を急ぎたい反面、なかなか買い手がつかないこともあり、普通だとあり得ない価格で手に入れることも可能です。
そして、極めて割安な水準で仕込むことができれば、ローン返済や諸経費を支払ったとしても、それを大きく上回る家賃収入によって、投資した自己資金に対し年率20%以上の利回りが期待できます。実際、私の知るお金持ちは、不動産投資による年率リターンは、30%以上が当たり前という考えです。
これ以上安くならないのではないかという局面で仕込むことで値下がりリスクは小さくなりますし、仮に不動産価格が下がれば、相対的な利回りは上昇するわけですから、年率20%超という平均以上のリターンは十分に期待できます。
もちろん年収500万円の家計で、不動産投資をすべて現金で賄うのは至難の業でしょう。当然、ローンを組むことになりますが、それにはある程度の頭金が必要です。そのためには、後述するように、景気がいい時に国際分散投資でコツコツと頭金を貯める。頭金はお金持ちという“壁”の向こう側に行くためのチケット。それを手に入れて初めて高いリターンを狙えるわけです。
(連載「お金持ちの方程式」より抜粋)
※マネーポスト2014年春号