STAP細胞論文に疑義が生じて以来公の場から姿を隠した小保方晴子・理化学研究所ユニットリーダーが、4月9日に行なった記者会見は、さまざまな衝撃をもって受け止められた。小保方氏に好意的な漫画家の小林よしのり氏、作家・アイドル評論家の中森明夫氏と否定的な漫画家の倉田真由美氏が、あの記者会見は何だったのかについて語り合った。
中森:大事なのは、小保方さんの記者会見は、何かを僕たち日本人に問いかけたってことです。今の日本は、いろんな意味で曲がり角だと思うんですよ。自民党政権は安泰に見えるけど、それは民主党に裏切られて投票率が下がっただけのこと。みんな、べつに自民党がいいとは思ってないけど、「もういいや」と思ってる。
小林:そこにあるのは、ニヒリズムだよね。
中森:そうそう。ニヒリズムが蔓延しているからこそ、追い込まれた若い女性が信じるもののために戦う姿が胸に響いたんですよ。
倉田:確かに会見の面白さは圧倒的だった。佐村河内の会見も面白かったけど、彼の場合は人間らしい感情の発露があったんです。イライラしてるのもわかったし、ゴーストライターの相方への怒りも滲み出てた。だから人間っぽく感じたんだけど、小保方さんはそこが読めないから、こんなに意見が分かれるんです。
小林:真偽がファジーなところがまたいいんだ。
倉田:みんな自分の中で、小保方さんはこうだと思う! みたいなものがあって、それぞれが違うのがすごい。みんなの中に小保方さんがいるんだもん。
中森:彼女はマスメディアにたった2回しか出てないから情報が少ない。謎に包まれているからこそ、世間でこんなに過剰に語られるわけですよ。
倉田:しかもルックスが微妙。女って、「美人でもないのにかわいこぶって男にチヤホヤされる女」が嫌いなんですよ。たとえば佐々木希みたいな分かりやすい美人だと「仕方ないな」と思いやすいんだけど。小保方さんはブスじゃないけど美人でもないので、男が庇うと反発したくなるかも。