「慰安婦像」が設置された米国で韓国ロビーによる「日本叩き」が過熱している。一方、ソウルでは元慰安婦らがベトナム戦争時における韓国軍の蛮行を告発。「慰安婦」を人権問題に格上げして日本を貶めるはずが、自らの首を絞める事態に発展している。
「カリフォルニア韓国系米国人フォーラム」(KAFC)がグレンデールで反日大連合の構築、在米邦人社会の分断を進められた背景には、これまで運動の主軸にしてきた日本政府に対する謝罪・補償要求をひとまず棚上げし、「女性の人権を守るための聖戦」(在米韓国系反日団体関係者)というスローガンを掲げたことがある。
慰安婦像は「日本人を貶めるシンボル」ではなく、「女性の人権を守るためのシンボル」との位置づけだ。普遍的なテーマを掲げることで、より幅広い団体の支持を呼びかけて運動を拡大しようとする狙いがある。
だが、韓国ロビーによるテーマの格上げが、ここにきて自らの首を絞めることにつながっている。
「撤去提訴」から約2週間後の3月7日、一部の韓国人元慰安婦とその支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)代表が記者会見を行ない、ベトナム戦争に参戦した韓国軍による「ベトナム人女性に対する性暴力や民間人虐殺」について朴槿恵政権が謝罪し、法的責任をとるよう訴えた件である。ソウルに慰安婦像を建てる活動をした挺対協はKAFCと密接な関係にある。挺対協も「女性の人権」を掲げてベトナムへと“戦線拡大”したわけだ。
だが朴政権が、ベトナムで韓国軍が行なった虐殺や性暴力を簡単に認めることはできない。