スポーツ

中村ノリの2軍降格 FBで同情集めるよりヒットを打てとの声

 横浜DeNAベイスターズの中村紀洋選手の2軍降格処分が波紋を呼んでいる。ベテランとはどうあるべきか、フリーライターの神田憲行氏が考察した。

 * * *
 コトの起こりは6日の巨人戦のあと、横浜ベイスターズの中畑清監督が中村紀洋選手の2軍降格に際して、報道陣に

「チーム方針に従わない言動があった。今回は懲罰的なところがある」

 と発言したことから始まる。これに中村選手がフェイスブック上で愚痴とも反論ともいえない書き込みを行った。それによると中村選手はコーチに

《(自分が)打席に入っているとき 走者を場面によっては動かさず、打撃に集中させてほしいとコーチに相談させてもらいました》

《コーチに相談することが監督批判になってしまった形です》

 そして

《今回の相談するという行為が『批判』と映ったならば寂しいこと》

 と述べている。

 本当に「相談」が「監督批判」と判断されたのか、中畑サイドから情報が出てこないので真偽はわからない。ただ中村選手の自己評価と中畑監督の中村選手への評価に開きはありそうだ。

 書き込みはファンから「ワガママではないか」など非難が殺到し、翌日、中村選手は

《この度は、私のフェイスブック上でのコメントにより、お騒がせいたしまして、大変申し訳ございませんでした》

 と、謝罪文をアップする羽目になった。

 私が中村選手の書き込みで注目したのはここだ。

《自分としてはどうモチベーションを保つべきか苦悩しています。勝つために1軍のフィールドに僕は必要ないのだろうか……》

 勝つために選手のモチベーションを引き上げるのも指揮官の任務の一つとはいえ、プロ野球生活22年目の41歳、年俸5000万円のベテランのそれまで気にせねばならぬとしたら、私は監督にご同情申し上げる。

 ベテラン選手のモチベーションの在り方を私に教えてくれたのは、05年、楽天イーグルス1年目に在籍していた金田政彦投手である。その時点で36歳、プロ野球選手13年目、最優秀防御率のタイトルも獲得している実績のある投手だ。オリックスとの分配トレードで楽天に移籍してきた彼は調子も良かったが、若手優先のチーム方針で開幕2軍スタートだった。しかし私の取材にこう答えた。

「悔しかったですよ(中略)だけど2軍でしっかり投げていれば他の球団が見てくれて、また移ることもできるだろうから絶対に腐らずに投げてやろうと考え直しました」

 また別の機会の取材ではこうも言った。

「勝ち負けで良い監督悪い監督という評価をファンはしますが、プロ野球選手からすれば自分を使う監督が良い監督、使わない監督が悪い監督です」

 これが腕1本でプロ野球界を渡ってきた男の矜持である。

関連キーワード

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
広末涼子(時事通信フォト)
【広末涼子容疑者が逮捕、活動自粛発表】「とってもとっても大スキよ…」台湾フェスで歌声披露して喝采浴びたばかりなのに… 看護師女性に蹴り、傷害容疑
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
麻布台ヒルズの個展には大勢の人が詰めかけている
世界的現代美術家・松山智一氏が問いかける“社会通念上の価値の正体” 『うまい棒 げんだいびじゅつ味』で表現したかったこと
週刊ポスト
工藤遥加(左)の初優勝を支えた父・公康氏(時事通信フォト)
女子ゴルフ・工藤遥加、15年目の初優勝を支えた父子鷹 「勝ち方を教えてほしい」と父・工藤公康に頭を下げて、指導を受けたことも
週刊ポスト
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン