プロ野球では選手年俸の高いチームが強いわけではない。年俸に見合う活躍をする選手がどれだけいるかが、順位を左右している――。今年のペナントレースを見ると、ハッキリとそう言える。交流戦開始前の両リーグは、広島とオリックスが首位。昨季の覇者である楽天と巨人は、波に乗り切れなかった。
この時点までの選手年俸と成績の相関はどうなっているのか。スポーツライターが解説する(年俸は推定、成績は交流戦開始前まで)。
「広島は、チーム1位の年俸である前田健太(2億8000万円)と2位のバリントン(1億3562万円)が、ともに4勝ずつ。3位のミコライオ(1億1500万円)が11セーブときっちりと仕事をしている。オリックスも、1位の糸井嘉男(2億5000万円)が3割6分8厘で打撃成績トップ。2位の金子千尋(2億円)も防御率1.60と抜群の安定感を誇っている。3位の平野佳寿(1億9000万円)も、開幕戦で一度リリーフに失敗しただけで、1勝14セーブです」(スポーツライター。以下「」内同)
首位・広島に4.5ゲーム差をつけられ3位で交流戦を迎えた、昨年のセ・リーグ覇者である巨人は、対照的に高年俸選手が不振だった。
「球界最高年俸6億円を稼ぐ阿部慎之助が、故障がちで調子に乗れなかったですね。2割2分、5本では……。チーム2位の杉内俊哉(5億円)は、3勝を挙げているが、防御率4.05と安定感に欠けた。3位の内海哲也(4億円)は8試合を投げて、勝ち星なし。4位の山口鉄也(3億2000万円)も、防御率5.84と本来の投球ができていない。5位の村田修一(3億円)も、打率2割4分6厘では4番の名が廃ります」
揃いも揃って、高給取りが活躍していないのだ。パ・リーグでは、昨年日本一の楽天が、5位で交流戦を迎えた。田中将大が去った以上に、穴埋めとして期待された外国人選手の不振が響いた格好だ。
「楽天も、ユーキリス(2位・3億円)、ブラックリー(3位・2億円)といった新外国人がここまで期待外れとは……。ジョーンズ(1位・4億円)は徐々に調子を上げてきましたが、金額と釣り合いが取れているかといえば、微妙でしょう」
最下位に沈んだチームは、やはり年俸と成績が比例していない。まずはDeNA。