消費税が8%にあがり、配偶者控除の見直しが議論されるなど、日本の税制についての話題が続いている。そのとき、たびたび日本の租税負担率は北欧に比べて低い水準だといわれるが、大前研一氏は現実の日本の負担率は過酷といえるほどだと指摘している。
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日本の税制には年収1000万円以上のサラリーマンの給料が上がらないという特徴がある。年収が多いほど税率が高くなり、「いくら稼いでも手取りはほとんど変わらない」という事態になってしまうのだ。このため、日本の会社は各種の手当や退職金といった給料以外のインセンティブを付けている。だが、これは途上国の税制、途上国の会社のやり方だ。
たとえばイギリスの場合は、車は会社持ちで、社員が好きな車を購入し、それを経費として給料から差し引く。そのほうが課税対象となる給料額が少なくなるからだ。
また、アメリカの大企業では、すべて個人の裁量に任されている。つまり、グロスの年俸だけが決まっていて、その中で、たとえば税率の関係で自分はキャッシュよりも運転手付きの車をもらったほうが得だと思ったら、そういうオプションを自由に選ぶことができる。
日本もそろそろそのような先進国の給与・税制システムに移行すべきだと思う。なぜ、こうした議論が必要なのか? 注目すべきは日本の国民負担率の高さだ。