巨人戦中継の視聴率不振は今に始まったことではない。かつては毎試合放送されていたナイター中継は、2006年から徐々に減少。半世紀以上中継を続けている日本テレビも、昨年の地上波ナイター放送はわずか7試合にとどまった。
「巨人人気=全国区」だったのも、今は昔。巨人ファンの比率が高かった北海道や仙台には、日本ハムと楽天がフランチャイズを構え、地域の人気を独占しつつある。その証拠に、今年の日本テレビはナイター6試合、デーゲーム 14試合の中継を予定しているが、全国ネットは合わせて8試合のみ。そのほかの12試合は関東ローカルで放送される。
昨年もナイター7、デーゲーム16と同じような試合数だったが、すべて全国ネットだった。なぜ全国ネットが減ったのか、テレビ局関係者が話す。
「全国ネットで放送しても、地方は特に広告が入りにくいから、関東ローカルになってしまうのは仕方がないでしょう。たとえば、仙台で同じ時間帯に楽天戦があれば、仙台市民がどちらを見るかは言わずもがなですし……」
今年、“全国区”という看板を失った巨人戦中継の視聴率は、さらに低下している。
「開幕戦は10%とギリギリ2ケタに乗せたが、以降の試合はすべて1ケタ(6月7日現在)。テレビ番組全体の数字が落ちているので、ゴールデン帯で1ケタは珍しい現象ではありません。ただ、数年前8%前後取っていたデーゲーム中継も、今シーズンは4%台が多い。半減に近い数字になっています。
さらに、NHKのナイター中継で9.7%(5月17日土曜の広島戦)を記録してしまった。これは、衝撃的です。NHKは19時からの『ニュース7』の視聴率が高いため、直後に始まる巨人戦も、昨年までは2ケタに乗っていました。巨人戦の視聴率が下がったと言われ始めた後でも、NHKだと15%前後を叩き出すこともあった。実際、ちょうど1年前、5月18日の西武戦では13.7%だった。それが、1ケタですからね……。全国ネットが減った影響が如実に出ていると思いますよ」
日本テレビ関係者も、こう落胆する。
「今年の巨人戦中継の数字は例年以上に良くない。日テレがナイター中継した5月26日(月曜)の日本ハム戦は8%、28日(水曜)の楽天戦は6%しか取れなかった。視聴率三冠王を狙う局にとって、相当痛いはずです。月曜は通常通り、『有吉ゼミ』『世界まる見え特捜部』を放送すれば、2ケタを計算できますから。