流行性出血熱とは、ネズミが保有するウイルスがダニなどを媒介として人間に感染して起こる病だ。中国東北部やロシアなどで感染が確認されている。2~3週間の潜伏期間ののち、高熱に見舞われ、それが5日程度続くという。
顔や上腕部に出血斑が現われ、尿も途絶える。肺水腫を起こすケースも多い。感染すると5~30%の人が死に到り、特効薬は現在も存在しない。
医療水準の低い北朝鮮、それも衛生面に問題のある収容所内では、甚大な被害が予想される。
レポートには、めぐみさんの安否とウイルス汚染を関連づけて言及しているわけではないが、<収容所出身者の誰からも(めぐみさんの)証言がないのは、ウイルスで大混乱に陥り〉〈管理データが無くなった>からと結論づけられている。
その後のめぐみさんの動向については、中国情報機関も捕捉できていない。
橋本龍太郎内閣時代(1996~1998年)に官邸中枢にいた政治家A氏が、「1997年当時にめぐみさんは生きていた」という発言をして永田町に波紋を広げているが、その発言が確かなら、感染症の災厄を免れ、収容所からも出所したことになる。日本の政府関係者が語る。
「めぐみさんについては、複数のルートから生存情報がもたらされているのは事実。ただし、北朝鮮が発表しない理由については、『金王朝の“奥の院”を知りすぎてしまった』『病気を患っており不安定』など、憶測レベルの話しかありません」
※週刊ポスト2014年6月20日号