日露関係は、その中でもっとも振れ幅の大きくなる可能性がある変数とロシアは見ているのだと思う。そのことを考慮した上で、今秋に予定されているプーチン大統領の公式訪日を予定通り実施するか、延期するかについて、クレムリンは慎重に検討している。
ウクライナ問題に関して、米国からイスラエルに対して対露制裁に加わるようにとの強い働きかけがなされているが、国内にロシア出身の移民を多く抱えるネタニヤフ政権はプーチン政権との関係悪化を懸念し、米国の要請に従っていない。米国との関係を考慮した場合、どこまで対露関係で自主外交を行なう余地があるかについて、インテリジェンス・チャネルを用いて首相官邸がイスラエルと協議することが有益と思う。
※SAPIO2014年7月号