では、どんな会社がM&Aの標的になりやすいのか。
「株価に比べて資産価値の高い企業が買収対象になります。たとえば中国や韓国の新興企業とは違い、ベーシックな技術を持つ企業や、“不可分資産”をたくさん保有している企業は要注意です。これまであまり評価されなかった企業のほうが狙われやすいのです」(前出・松崎氏)
さらに、2020年の東京オリンピック開催が決まったことで、日本株買いの動きに一層拍車がかかる、と松崎氏は見ている。
「来たるオリンピックに向けて、都心部のあちこちで再開発が進められています。湾岸エリアのほか、日本橋や虎ノ門、品川エリア……。やがて街が生まれ変わっていくと、これまで資産価値を生まなかったような場所まで大化けする可能性があります。そんな“隠れた資産”を持つ企業を物色している外資は多いでしょうね」(松崎氏)
虎の子の保有資産の売却をめぐって対立した西武VSサーベラス(米投資会社)の攻防は記憶に新しい。日本の商法に倣えば「株式会社は株主のもの」という原則はあるが、株主価値の最大化を図るあまり、“ハゲタカ”に骨抜きにされて買収の憂き目にあっては目も当てられない。