20日、サッカー日本代表はW杯ブラジル大会グループリーグ第2試合でギリシャと対戦する。ここでキーマンとなるのが、日本代表最多出場記録(144試合)を持ち、2005年にギリシャに勝った時にもプレーをしていたMF・遠藤保仁だ。遠藤は、W杯開幕前、釜本邦茂氏と本誌で対談。そこで遠藤は、ギリシャ戦に対する自信を覗かせていた。
最も想定が難しい相手にも感じられるのになぜ、遠藤には「自信」があるのか。それにはこんな理由があった。
2005年のドイツ・フランクフルトでの試合で、日本は終始積極的にギリシャを攻め立てた。前半からFWの玉田圭司、柳沢敦が立て続けにシュートを放って、ギリシャゴールを脅かす。そして後半30分、途中出場した大黒将志がゴールを決め、1-0で勝利した。
この試合を有利に運べた理由は、なんといっても中盤で日本のパスが繋がったこと。細かいパスワークから点を取るという、今の日本代表に通じるスタイルで勝利したのである。
ギリシャ戦は、予選突破のためには絶対に落とせない試合となる。そのため日本代表はギリシャ対策に特に力を入れてきたようだ。それは、本番を前に行なわれた親善試合の相手でもわかる。サッカー誌記者は語る。
「一般的に『仮想ギリシャ』といわれたのは、日本で試合をしたキプロスでした。大型DFによる堅守が売りの欧州チームで、確かに似ている。ただ、世界ランクが12位のギリシャに対し、142位のキプロスでは能力的にかなり劣るという問題もあった。
その意味で、キプロス戦後に戦ったコスタリカ(28位)こそ、仮想ギリシャだったとも見られる。実は日本サッカー協会の原博実専務理事も、“コスタリカはカウンターが鋭い”として、ギリシャに酷似していることを指摘していました」
日本はこの2試合ともに勝利。キプロス戦は決定力に欠ける1-0の辛勝だったが、コスタリカ戦では課題を修正。3-1と鮮やかな逆転勝利を収めた。