安倍:君たちオランド(仏大統領)の女性の話って知ってる? 知人の結婚式に呼ばれて出席したら、新婦に惚れられちゃったと言うんだよ。ひどい話だよね(笑)。

記者:首脳会談でもそんな話をしていたんですか?

安倍:まさか。夕食会で聞いたんだ。ブレア(英国元首相)も凄いからね。それとイギリスといえば、小泉さんの留学時代の話は色々あるんだよ。ファーストキスがロンドンで、だったとか。官房副長官時代、メモを取りながら『えっ!?』と思ったよ。

記者:ブレアは?

安倍:ブレアが凄いのは、小泉さんの昔の女のことを知っていて、小泉さんに『彼女に会いたいか』って聞いたからね。イギリスはMI?5の国だから、事前にちゃんと調べてたんだな。日本も会談相手のことを秘書官に調べてもらわないといけないかな?

 記者懇談には「敵か、味方か」を政治家が見分ける踏み絵の役割もある。

 首相の覚えがめでたい報道をした政治部長や論説委員、編集委員、記者たちは、その後ご褒美として首相と個別の食事の機会を与えられる。

 ある大手紙の政治部長は安倍首相との会食の後、周囲にこんな自慢話をしていた。

「安倍総理はあまり親しくない人との会食では、健康体をアピールするために強い酒を飲んでみせるが、われわれ気心の知れている相手と飲むときはもっぱらレッド・アイ(ビールのトマトジュース割り)で健康に気を使っている」

 ジャーナリストともあろうものが、権力者との秘密の関係にうっとりしているのだから、ご褒美も効くはずである。

※SAPIO2014年7月号

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