傾向を掴むと、休憩時間の取り方も変わってきました。1勤務で3時間は休憩を取るように定められているので、多くのドライバーは昼飯と晩飯で合わせて3時間休みます。ですが、もう少し効率化する方法があります。
僕は業務日誌を見て「平日の午後9時から11時は圧倒的に乗客が少ない」ということに気づきました。飲んでいる最中か電車で帰宅途中ですから当然です。休憩するなら3時間のうち2時間分をこの時間帯に休憩すると効率がいい。
タクシー運転手は収入が低いといわれるが、知恵を絞って頑張れば必ず報われるやりがいのある仕事です。
それに、基本的な勤務形態が週3勤務なので自由な時間を持てる。タクシー業界には僕のように事業で躓いた人やリストラされた人も大勢います。そんな人が捲土重来を期すにあたって、新たなビジネスの準備をしながら日々の収入を得ることができるのも魅力です。
運転手がどんどん高齢化していますが、20~30代の若い世代の子にもチャレンジしてほしい。タクシーは本当に夢のある仕事ですよ。
撮影■山崎力夫
※週刊ポスト2014年7月14日号