ほとんど自炊しないが「めん」をゆでることだけはするという30代男性は、3年前の夏に体調を崩し病院へ行ったところ、栄養失調だと医師に告げられた。
「暑くてだるく、外食も面倒だったので何日もそうめんをゆでて食べるだけでした。何も食べないより三食とっているから大丈夫だと思っていたのですが、食事内容を思い返すと“そうめん”と“めんつゆ”だけ(笑)。それでは栄養失調になると医師に言われて、それ以来、惣菜や具材入りのめんつゆを買うなどして、そうめんだけにならないように気をつけています」
栄養失調に至るのは極端な例だが、そうめんだけでは炭水化物しか採れないので夏バテに陥りやすい。野菜とたんぱく質を付け加えることを忘れないで欲しいと前出の吉田さんはいう。
「夏バテ対策に有効なビタミンB1を豊富に含む豚肉などをとりたいところですが、お肉を加えためんつゆを手作りする場合、そのまま冷やすと脂が白く固まり冷たいめんつゆには使いづらい。そういう面で具材入りのレトルトつゆは便利に使えると思います。さらにめんとつゆの味がからみやすい野菜、レンジでチンしたナスやブロッコリーなどをプラスしてあげると彩りも栄養もよくなります。
そうめんには塩分が含まれていますので、そこだけ気をつければ、どんな食べ方にあわせても美味しくいただけますよ」
最近では、少し太めで知られる徳島の半田そうめんが関東でも購入しやすくなり、オリーブやすだちなどの風味が加えられるなど、そうめんそのものの違いも気軽に楽しめるようになってきた。猛暑にはうんざりしているかもしれないが、のどごしよく美味しいそうめんを食べて、楽しい夏を過ごしたい。