NHKは「Eテレ」の語学番組「テレビで中国語」の2013年4月16日放送で、「台湾が含まれた中国地図」を映し出して問題になったこともある。
今回の特別展は、美術品保護のための法整備などを経てようやく実現したもの。それだけに「中国を刺激して横槍が入らないよう慎重にやろうという意識が働いた」(主催メディア関係者)ということのようだが、展示品を提供する台湾への配慮を欠くのでは本末転倒だ。
権力と対峙すべきメディアが、中国という強大な権力に対して完全に腰が引けていて、しかも横並びの対応で逃げを打つ。これが先進国の姿なのか。台湾出身の評論家、金美齢氏は怒りを露にする。
「今回の騒動は、中国の顔色ばかりうかがって自主規制する日本のメディアのいじましさやみっともなさを象徴した事件です。日本のメディアは強きにおもねり弱きをくじく。叩いても異論が来ないところばかりを叩いて、権力と戦っているふりをしているだけです」
日本の腰抜けメディアが台湾の至宝を扱うとは、申し訳なくて涙が出る。
※週刊ポスト2014年7月11日号