最近も現地をこの目で見てきたが、たとえば北京にある中国最大のゴールドショップでは、来店客がひっきりなしだった。老若男女を問わず、至ってカジュアルな格好で訪れ、なかには子連れで品定めする夫婦の姿もあって、改めて金需要の裾野の広さを感じた。
ちなみに、どれだけ需要が旺盛かというと、たとえば上海の金価格は1300ドル以上になると、国際金価格に対してディスカウントされる。彼らは1300ドルを超えてくると音なしの構えになるため、少しでも買ってもらおうと値引くのだ。逆に1200ドル台に下がると、上海ではプレミアムがつき、多少割高でも買い求める客が殺到する。
米国の利上げに伴い、先進国にとっては魅力が薄れた金は売られ、安くなる。すると新興国では需要が高まり、金価格を下支えする。そんな局面が当面続くことが予想される。
※マネーポスト2014年夏号