「地球の裏側にもうひとつの野球があった」(ボブ・ホーナー)
「ロッカールームが汚いから帰る」(ドン・マネー)
「神のお告げあった」(マイク・グリーンウェル)
「肩に小錦が乗っている」(エリック・ヒルマン)
「リトルリーグみたいに狭い球場」(ダン・ミセリ)
かつて日本球界でプレーした外国人選手の中には、こうした“迷言”を残して、球界を去っていく者も少なくなかった。だが、近年はいわゆる真面目な優等生が激増し、日本野球界に“造反”する外国人選手はほとんどいなくなった。スポーツライターが話す。
「今年も、優良外国人が多いですね。たとえば広島のライネル・ロサリオは5月1日に4打数4安打の大活躍をした翌日に、キラ・カアイフエの故障が治ったため、二軍落ち。その後、5月24日に再昇格を果たし、7試合で3割4分8厘、3本塁打の活躍を見せるも、今度は夫人の出産で帰国していたキャム・ミコライオと入れ替わりで、再びの二軍落ちを経験しました。
DeNAのホルヘ・ソーサは、4月21日、宮崎移動のため羽田空港に現れたものの、『ケガが万全でない』と漏らしたため、中畑清監督の怒りを買い、帯同の却下だけでなく、出場選手登録抹消をされています。
こうしたケースは昔であれば、怒ってそのまま帰国したり、他球団へのトレードを志願したりしても珍しくありません。それが近年は、外国人選手が造反することはほとんどなくなりましたね」
なぜ最近は優等生外国人選手が増えたのだろうか。前出・スポーツライターは、次のように分析する。
「1995年の野茂英雄を皮切りに日本人選手のメジャー移籍が増え、世界が日本野球の実力の高さを認識し始めたことが大きいでしょう。『日本で活躍すればメジャーへ行ける』という考えまで生まれているので、外国人選手が大上段に立った態度は取らなくなったのではないでしょうか。そもそも、以前の日本野球はメジャーより何段階もレベルが落ちるリーグと思われていましたが、いまやそう考える外国人は減っているはずです。
もう一つは、来日する外国人の質です。昔は、年老いてメジャーで通用しなくなった“現役メジャーリーガー”が来日することも珍しくなかった。しかし、最近はアメリカ人だけでなく、中南米の選手が大幅に増えた。彼らはハングリー精神が強いですから、少々のことではしょげません。