先見の明を示すことは大人力にとって欠かせないこと。バラエテイ番組の「柳の下のドジョウ」狙いもその例外ではない。大人力コラムニストの石原壮一郎氏が、「ドジョウ」狙いの企画を勝手に考えた。
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画期的というか盲点だったというか、「なるほど、その手があったか!」と感心させられました。このほどTBSは、志村けんなど苗字に「村」が付く芸人6人を集めたバラエティ―番組「6人の村人!全員集合」を制作。8月20日午後7時58分から、3時間にわたって放送すると発表しました。
6人の顔ぶれは、志村けん(64)をはじめ、ウッチャンナンチャンの内村光良(49)、さまぁ~ずの三村マサカズ(47)、ナインティナインの岡村隆史(44)、バナナマンの日村勇紀(42)、ロンドンブーツ1号2号の田村淳(40)と大物ぞろい。6人が“慰安旅行”に出かけた先で、いろんなハプニングや本音トークが……という番組のようです。
「今までにない異色の組み合わせ」を実現させるにあたって、苗字に「村」が付くという強引にもほどがあるつながりをもってきたのは、まさに大人の力技。たとえ冗談みたいな思いつきでも、とにかくやってしまうことが大事という教訓を授けてくれます。
もしこの番組がそれなりに視聴率を稼げば、第二弾、第三弾はもちろん、他局でも同様に強引なつながりの組み合わせで番組が作られるでしょう。柳の下のドジョウを狙えるだけ狙うのもテレビの真骨頂。そんな大人の貪欲さや臆面のなさも学びたいところです。
ちょっと気が早いですが、やがて第二弾、第三弾などが作られたときに「ほら、俺が言ったとおりだ」と威張れるように、「村人」的なほかの組み合わせを考えてみましょう。大人は先手必勝です。何と戦っていて何に勝つのか、よくわかりませんけど。
たくさんいそうなのは「島人」でしょうか。ダチョウ倶楽部の上島竜兵、島崎俊郎、島崎和歌子、小島よしお、アンジャッシュの児嶋一哉、元オセロの中島知子、島田秀平……。正直「村人」に比べると大物感に欠けますが、それこそ力技で芸能界を引退した島田紳助氏を引っ張り出して来られたら、インパクトの点では申し分ありません。
いっそのことお笑いの枠を超えて、大島優子や小嶋陽菜に参加してもらったら、一気に華やかになるでしょう。「村人」は檜原村など「村」でロケをしたそうですが、その点「島人」も、どこかの島にわたってロケをするという必然性を作れます。