安倍晋三首相の母で「政界のゴッドマザー」と呼ばれる安倍洋子さんが、8月18日からモンゴルを訪問する予定だ。しかも、その翌日から拉致議連事務局長の山谷えり子・自民党北朝鮮拉致問題対策本部長らもモンゴル入りするという。
モンゴルはこれまで何度も日朝の秘密接触の舞台になってきた。今年3月にはエルベグドルジ大統領の仲介で横田滋・早紀江夫妻とめぐみさんの娘キム・ウンギョンさんやひ孫との面会がウランバートルで実現したことは記憶に新しい。日朝外交筋は意味深な言い方をした。
「総理のご母堂のモンゴル訪問が今後の日朝交渉の重要な節目になるかもしれない」。
薄い色のサングラスに、豪華なネックレスとイヤリング。86歳を迎えた洋子さんは貫禄十分で足取りは軽く、溌剌(はつらつ)としていた。
今年6月、都内の高級中華料理店で開かれた誕生会の様子である。次男の晋三氏をはじめ、長男で三菱商事のグループ会社社長を務める寛信氏一家、三男で岸家を継いだ自民党外交部会長の信夫氏一家という、「華麗なる一族」が勢揃いしていた(晋三氏の妻、昭恵夫人は欠席)。
洋子さんは岸信介・元首相の長女で、安倍晋太郎・元外相の未亡人。父、夫、息子の3代の選挙に関わり、晋三氏には若手議員の頃から政治家としての心得を叩き込んできた指南役でもある。また、長年にわたって旧・安倍派(現・町村派)の婦人会トップを務め、現在も政界に信奉者は多い。それが高齢になってもなお「ゴッドマザー」と呼ばれ、その動静が注目される所以である。
その洋子さんが8月18日からモンゴルを訪問するという情報を本誌はキャッチした。が、“大物”の訪蒙にもかかわらず、奇妙なことに政界や政府内でもその事実はほとんど知られていない。安倍家関係者が不安がる。
「高齢の洋子さんがどうしてモンゴルに行くのか。医療設備が整っていない国だけに、もし現地で体調を崩したりしたら大変だと心配されている」