目ヂカラ向上に使うつけまつげやアイプチはすっかり定番化。最近はカラコン、つまりカラーコンタクトレンズも使う。黒目部分を強調して大きく見せられるレンズの縁が茶や黒に着色されたものが人気で、サークルレンズとも呼ばれる。ある女子高では、1クラスの半数近くの目が同じ大きさと色になり、流行に疎いベテラン男性教師もさすがにカラコン使用に気づいた。きゃりーぱみゅぱみゅが「裸眼を見せるときは死ぬ時です!」とテレビ番組で言ったように、絶対にカラコンを人前では外さない女性も増えている。
「メイクしなくてもカラコンだけはします。ファッション誌のモデルはほとんどカラコン使ってますよね。AKBとかアイドルにもすごく多いけど、男の人は分からないみたい(笑)。モデルやグラドルが『すっぴん写真』をブログに載せても、やっぱりカラコンは入れてるでしょ。眉毛がないことより、カラコンなしの顔を見せるほうが嫌なんです。カラコンをとると、自分の目の小ささに悲しくなります」(20歳・大学生)
あるメーカーの推定では、カラコンユーザーはすでに300万人を超え市場規模も400億円を突破している。今後も増えると見込まれ、現在、主力ユーザーである10~20代の女性だけでなく、幅広い年齢層に愛用者が広がりつつある。
メーカー側も広がりを感じ取っているのだろう、代表的なカラコンブランドのイメージモデルには、板野友美、山本美月、北川景子、益若つばさ、有村架純、真木よう子、ダレノガレ明美と、想定される顧客の年齢や好みがバラバラ。何歳になろうと、どんなファッションに身を包もうと、誰もが大きく魅力的な瞳を目指して懸命だ。
だが、スマホの新機種を操るようにカラコンを使いこなしているかというと、そうでもない。コンタクトレンズの装用で眼障害が生じることは知られているが、カラコン使用者でも増加している。
眼障害でとくに問題になるのは微生物の感染によって生じる角膜潰瘍と角膜浸潤。角膜の上皮に深く傷がつく角膜潰瘍の場合、失明につながることも。角膜が白く濁る角膜浸潤にも要注意。度なしレンズの利用者が多く眼科医の検査を受けないケースが目立つカラコンについては、国民生活センターが注意喚起をしている。
日本コンタクトレンズ学会常任理事の植田喜一さんは「たとえ視力補正しなくても、コンタクトレンズはすべて高度管理医療機器であることを忘れないでください」と訴える。
「安全性が高いと言われているブランドでも、その人の目に合わなければトラブルを起こすことがあります。カラコンの取り扱いやレンズケアが不適切であるとトラブルが生じるので、添付文書に記載されている内容をよく読んでください。とくに1日タイプは必ず1日で、2週間タイプなら絶対に2週間以内で使い終えてください。誤った使い方をしたために、入院して治療するほどの重篤な障害にいたることもあります」