ペナントレースも後半戦に突入し、優勝争いはもちろん、クライマックスシリーズ(以下、CS)進出へ向けての3位争いも見逃せない。セ・リーグは首位・巨人を筆頭に、阪神、広島、中日が熾烈な争いを続けている。加えて注目したいのが、後半戦に入ってから絶好調の横浜DeNAだ。スポーツライターが話す。
「3・4月は7勝18敗と大きく負け越したが、5月から7月は勝率5割以上を保っている。8月には8年ぶりに巨人戦の同一カード3タテも達成しました。ひとつの要因に、采配をふるう中畑清監督に決断力が出てきました。開幕の頃とは明らかに変わってきたのです」
開幕投手には、オープン戦から絶不調だった2年目の三嶋一輝を起用。周囲も首を傾げたが、それだけ三嶋に懸ける期待は大きかった。だが、三嶋はわずか2回でノックアウトをくらう。以降も先発のチャンスをもらいながら、4試合連続でKOされ、一時防御率も2ケタまで跳ね上がった。メジャー帰りの尚成にも、8試合も先発のチャンスを与えたが、勝ち星には恵まれなかった。
前出のスポーツライターが続ける。
「このように、序盤の中畑監督の選手起用は、こだわって失敗する面が見受けられました。いちばん難しいと言われる投手起用に関しても、中継ぎを長く引っ張り過ぎて打たれるシーンが昨季から何度もありました。
しかし、最近になって投手起用に迷いがなくなった。9回に、抑えの三上朋也がピンチを迎えると、加賀繁や林昌範といった投手に交代させ、窮地をしのいでいる。今までの中畑監督であれば、続投させ、打たれていたでしょう。
5月にソーサに代わって、抑えになった三上ですが、最近クセが読まれ始めたのか、失点する機会が増えていました。すると、抑えの地位を外し、今度は中継ぎで好投していた国吉を持ってきました。シーズン中に2度も抑えを変えることは珍しいですが、厳しい台所事情をプラスに変える決断力のなせるわざでしょう。