国際情報

呉善花氏「日本は韓国との関係改善急がず少し距離置くべき」

 ひとたび「親日家」のレッテルを貼られた韓国人は祖国と同胞から激しく迫害され、終生、地位と名誉が回復されることはない。執拗な嫌がらせは時に家族や親族にも及ぶ。日本での言論活動で迫害対象となった、拓殖大学教授の呉善花氏が自身の体験を明かす。

 * * *
 1983年、留学生として来日した私は、テレビ番組の依頼で新宿・歌舞伎町の韓国人ホステスを取材し、後にそれを『スカートの風』という本に纏めた。韓国人ホステスの生き方を題材に韓国社会の病巣に迫ったこの本は日本で大反響を呼びベストセラーになった。それが韓国人の怒りに火をつけた。「韓国の恥部を晒した呉善花は悪魔に魂を売った売国奴だ」と。
 
 その後、私が本格的に言論活動を始めると、韓国メディアのバッシングは日増しにエスカレートしていった。そのすべてが低俗な人格否定で「呉善花は日本右翼に買収された現代の従軍慰安婦」と口汚く罵るジャーナリストもいた。ある大手新聞に「呉善花は実在の人物ではなく著者は日本人」というデタラメ記事を書かれたこともある。
 
 裏取りもせず記事を書いたこの新聞記者に抗議をすると、「日本人に向けて韓国の悪口を言うとはどういう神経だ」と逆に責め立てられた。「卑劣な売国奴・呉善花」を印象付けるためなら記事をねつ造することも厭わない。これが韓国メディアの正体だ。当時、日本駐在の韓国人特派員の間では「呉善花を殺す会」が作られていたと聞く。「殺す」は社会的抹殺を意味するが、いずれにしても尋常ではない。
 
 また、あるシンポジウムで「小さいころから慰安婦という言葉は聞いたことがない」と発言したところ、韓国紙で「呉善花は『従軍慰安婦はいなかった』と証言した」とすり替えて報じられた。
 
 この記事が出た直後、韓国・済州島の実家から国際電話が入った。聞けば、国家安全企画部(諜報機関=現・国家情報院)の要員2人が夕飯時の実家に現われ、家族を尋問したという。 
 
 彼らは「身元調査」という不可解な名目で、親戚の家など計5か所を訪れた。当局による嫌がらせであることは明白だった。

関連記事

トピックス

中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
「スイートルームの会」は“業務” 中居正広氏の性暴力を「プライベートの問題」としたフジ幹部を一蹴した“判断基準”とは《ポイントは経費精算、権力格差、A氏の発言…他》
NEWSポストセブン
騒動があった焼肉きんぐ(同社HPより)
《食品レーンの横でゲロゲロ…》焼肉きんぐ広報部が回答「テーブルで30分嘔吐し続ける客を移動できなかった事情」と「レーン上の注文品に飛沫が飛んだ可能性への見解」
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
【約4割がフジ社内ハラスメント経験】〈なぜこんな人が偉くなるのか〉とアンケート回答 加害者への“甘い処分”が招いた「相談窓口の機能不全」
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”4週連続欠場の川崎春花、悩ましい復帰タイミング もし「今年全休」でも「3年シード」で来季からツアー復帰可能
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
【被害女性Aさんが胸中告白】フジテレビ第三者委の調査結果にコメント「ほっとしたというのが正直な気持ち」「初めて知った事実も多い」
NEWSポストセブン
佳子さまと愛子さま(時事通信フォト)
「投稿範囲については検討中です」愛子さま、佳子さま人気でフォロワー急拡大“宮内庁のSNS展開”の今後 インスタに続きYouTubeチャンネルも開設、広報予算は10倍増
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ
「スイートルームで約38万円」「すし代で1万5235円」フジテレビ編成幹部の“経費精算”で判明した中居正広氏とX子さんの「業務上の関係」 
NEWSポストセブン
記者会見を行ったフジテレビ(時事通信フォト)
《中居正広氏の女性トラブル騒動》第三者委員会が報告書に克明に記したフジテレビの“置き去り体質” 10年前にも同様事例「ズボンと下着を脱ぎ、下半身を露出…」
NEWSポストセブン
「岡田ゆい」の名義で活動していた女性
《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」
NEWSポストセブン
昨年10月の近畿大会1回戦で滋賀学園に敗れ、6年ぶりに選抜出場を逃した大阪桐蔭ナイン(産経新聞社)
大阪桐蔭「一強」時代についに“翳り”が? 激戦区でライバルの大阪学院・辻盛監督、履正社の岡田元監督の評価「正直、怖さはないです」「これまで頭を越えていた打球が捕られたりも」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン