〇問題6:自殺の危険の高い人は、その後も危険が高いままとは限らない。
●解説と正解:自殺の危険の高まりは、しばしば短期的なものだ。自殺念慮(死にたいという気持ち)を再び抱くことはあるかもしれないが、それが延々に続くわけではなく、たとえ自殺未遂の経験がある人でも長生きをすることはできる。よって、問題6は、正しい。
〇問題7:世界中の自殺で最もよくみられる手段は、有毒ガスによる窒息死、縊死(首つり)、飛び降りである。
●解説と正解:縊死と飛び降りは世界中で多いが、練炭を使った一酸化中毒など有毒ガスによる自殺は日本では多くても、世界ではそれほどでもない。それよりも低中所得国の農村部で起きる農薬による服毒が目立つ。そうした国では農薬販売の規制を施行するなどして自殺を減らすことができる。よって、問題7は、間違い。
〇問題8:自殺をする人は、みな精神障害を有しているといえる。
●解説と正解:自殺行為は深い悲哀のしるしであるが、必ずしも精神障害のしるしではない。精神障害と共に生きる多くの人は自殺行為をするわけではないし、自らの命を絶つ人のすべてが精神障害を有するわけではない。よって、問題8は、間違い。
〇問題9:医療従事者のみならず、教師、地域リーダー、警察官や消防士、人事スタッフやマネージャーなどが、ふだんの仕事や生活の中で自殺の危険がある人に気づき、医療や福祉につなぐライフキーパーになることが期待されている。
●解説と正解:日本の自殺予防政策でも、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る役割が重要だと考え、その研修に予算が割かれている。ただ、役割の名称は「命の門番」を表す「ゲートキーパー」。よって、問題9は、間違い。
〇問題10:悩んでいる人に自殺について話すと、その行動を促してしまいかねない。
●自殺の話題はいまだにタブーのように思われており、実際に自殺念慮を抱いている人の多くは、その気持ちを誰に話したらよいか分からない。包み隠さず気持ちを話すことは、自殺を考えている人にその行動を促すより、むしろ他の選択肢や決断を考え直す時間を与え、自殺予防につながる。よって、問題10は、間違い。
クイズは以上。全10問中、7問正解で合格、といったイメージでつくってみた。正解が何問でも、これを機に自殺と自殺予防が少しでも身近なものになればと願う次第だ。