これまで高止まりしていたスマートフォンの料金に、価格破壊が起きている。スマートフォンの通話料が半額以下になる「格安通話アプリ」に注目が集まったが、これに携帯電話事業者が真っ向勝負を挑んできたのだ。4月にNTTドコモが月額2700円で話し放題の完全定額プランを発表すると、auやソフトバンクモバイルも追随、今やキャリアの通話も「話し放題」が定番の時代を迎えた。
しかし、すべてのユーザーがこの新料金プランで有利になるわけではないので、プラン選びは慎重に検討する必要がある。
各社の新プランを見ると、定額通話を含めた基本料金は2700円と横並びで、セットで契約する必要があるデータ通信プランに差が出る形になっている。
旧プランの通信量は月に7GBが標準で、この量は一般的なユーザーには使い切れず、ムダになるケースも多かった。新プランではより少ない通信量で値段を抑えたプランも用意され、ムダの少ない料金を選べるようになった。
NTTドコモは10GB以上のプランは家族間シェアが前提(1台500円の追加料金)だが、auは容量が小刻みに設定され、単身でも使いやすいプランだ。ソフトバンクモバイルは、余ったデータ量を翌月に繰り越すことが可能になる(5GB以上のプランのみ)。
一方で、通話に関しては多くても少なくても一律2700円になるので、通話が少ない人はこちらでムダが出てしまう。結局は、通話とデータ通信をどれだけ利用するかが判断のポイントとなるので、過去の利用明細を見たり、キャリアに問い合わせるなどして、自分の正確な利用量を把握する必要がある。
たとえばauとソフトバンクの場合、データ通信が2GB以内で収まる人なら通話し放題でも旧プランより安くなるが、5GB以上だと1000円以上高くなってしまう。その差額以上に通話するならおトクだが、そうでない人には不利だ。