景気回復が進むと言われながら、景気動向指数は停滞気味。自分のお財布事情に目を向けると、アップしているのは消費税率や教育費負担などで、家計を管理したり、限られたお小遣いでやりくりする立場には、とかく厳しい条件ばかりが目につく。しかし、できれば貯金もしておきたい――という人は多いだろう。そこで、著書『年収200万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)や家計相談などでも人気の家計再生コンサルタントで、ファイナンシャルプランナーでもある横山光昭さんに話を聞いた。
「お金を貯められるか? マイナスになってしまうか? の分かれめは、“お金の管理をできるかどうか”です。これはきちんとしている人か? だらしない人か? と、性格的なものを考えがちですが、それだけではありません。例えば、家計相談に来られる主婦の方で、毎月5万円のマイナスだったのが、管理する方法をアドバイスしたことで、毎月3~4万円貯金できるようになった人も。切り替えるまで最初は大変かもしれませんが、慣れてしまえばムリなく“貯められるスパイラル”に入れると思いますよ」
5万円のマイナスから、3~4万円のプラスといえば、毎月10万円近い出費を抑えられることになる。一体どうすれば、そんな習慣を作ることができるのだろうか?
「家計を見直す、節約するというのもありますが、大きなポイントは“管理しやすい方法”を持って、使いすぎを抑えられる環境を整えること。昔からある形としては、食費や日用品、教育費、娯楽費といった予算を予め封筒に入れ、それぞれの予算の中でやりくりする『袋分け』という方法があります。細かく分けるのは大変なので、家計用と、それ以外の財布を分けるだけでも、変わってくるのではないでしょうか。
ただ予算ごとに分けた封筒や複数の財布を持ち歩くのは、なかなか面倒です。そこで私自身が活用していて、よくオススメするのは『Visaデビットカード』。これはクレジットカードと違って、即時引き落としのカードなので、預金口座に入っている金額が使用できる上限金額になります。月々の予算を袋で分けるのではなく、デビットカードの口座に割り振り、食費などの生活費をそこから払うようにすれば、支出や残金の管理もリアルタイムに把握できるのがポイントです。ちなみに私は日常的に使うカードと、旅行などの娯楽のために予算管理をするもの、2枚のデビットカードを使い分けています」(横山さん)