昨年はドラマ『半沢直樹』(TBS)、『あまちゃん』(NHK)が社会現象にもなるほどブームを巻き起こしたが、2014年は空前のヒットを飛ばした『アナと雪の女王』にはじまり、人気作が続く朝ドラで過去10年間の最高平均視聴率を記録した『花子とアン』と、“ヒロイン”の活躍が光る一年だった。
そして今年を締めくくる10月クールのドラマも、主演に名を連ねるのは女優たち。ドラマ界のトレンドについて、テレビ・ドラマ評論家の木村隆志さんはこう解説する。
「2014年のブームはやはりヒロインですね。今期も女性主演が多く、旬の女優も揃っています。しかも話題を呼ぶだろうと思われる作品ばかり。純粋な男性主役作は3~4つほどしかないところにもヒロインブームの流れがみられます」(木村さん、以下「」内同)
木村さんが予想する、今期ドラマの注目ヒロインレースは次のとおり。
大本命は、同じ水曜日22時の枠で視聴率を争う沢尻エリカと綾瀬はるか。沢尻は前作に引き続き女同士の“マウンティング地獄”を描く『ファースト・クラス』(フジテレビ)で悪女を演じ、綾瀬は人気漫画が原作の『きょうは会社休みます。』(日本テレビ)で30才処女を演じる。
「いちばんアツイのが水曜22時の対決ですね。両作ともネタとして最高ですし、キャラクターも内容も真反対なのでどちらを観るか悩ましいところ。深夜枠から移ってきた『ファースト・クラス』はキャスティングがものすごく豪華。間違いなく話題になると思います。
対抗の綾瀬さんは、30才処女が年下と初めて恋愛をする“こじらせ女子”の話です。人気コミックでファンが多いですし、綾瀬さん鉄板キャラの“干物女”の別バージョンのようなテーマですから、大河ドラマを経て万全を期して王道ものに戻るところも見どころ。かっこいい福士蒼汰と玉木宏との共演と、処女喪失シーンもあるということで注目を集めそうです」
実際に同世代の、沢尻と綾瀬の演技対決も見ものだという。
「ふたりはきつい性格とド天然と性格も真反対。前回と異なり、今回は悪女に変わった沢尻さんは久しぶりに本領発揮が期待できるところ。綾瀬さんも得意なキャラクターに戻り、王道のキャラ同士のまさにガチンコ勝負。『ファースト・クラス』の方が話題性から瞬発力が強く優位ですが、どっちが勝つが全く読ません。最終的に逆転もあると思うので面白くなりそうです」
注目レース2番手は、人気シリーズ『ドクターX~外科医・大門未知子』(テレビ朝日)の米倉涼子。
「『ドクターX』は、毎年秋にやるシリーズで毎回視聴率は20%超えていきますから、これはいちばん外れがないと思います。米倉さんは人気がすごくありますし、欲望渦巻く大病院で、破天荒なヒロインが闘う姿は爽快です。岸部一徳、北大路欣也といったベテラン共演者との対決で観ても面白いですね。沢尻さんと綾瀬さんの対決が次期女王を狙う若手女優バトルなら、米倉さんは現役の女王。今回は完結編ということもあり、ここも視聴率は取ると思います」