この報告を受けた副顧問がY氏に問いただすと、「ただのコミュニケーションだ」と平然と答えたという。だが、本人もさすがにマズイと思ったのか、それを機にセクハラ行為はいったんは収まった。ところが──。

「1週間ほどすると、手を握る、顔を近づけるといった行為が再び始まりました」(朋子さん)

 相変わらず一部の女子生徒に不快感を与え続けたが、同年10月に事態は動いた。ある女子部員がお尻を触られる被害を生徒指導部に訴えたことで、学校側がセクハラ問題を把握した。学校側は調査に乗り出し、11月に臨時保護者会を開催。さらに部員の保護者やOB・OGでつくる後援会との間で会談が重ねられた。翌2011年1月、朋子さんは校長室に呼び出された。

「校長先生から、『Y先生はセクハラを認めて反省している。許してやってほしい』といわれましたが、『許せない』という思いだけが残りました」(朋子さん)

 結局、Y氏から朋子さんへの謝罪は一切なく、朋子さんが卒業するまで吹奏楽部の指導は何事もなかったように続けられた。今回の告発をY氏はどう受け止めるのか。直撃した。

──2010年にセクハラを受けた元生徒がいる。

「あ、そんなの解決ずみですよ」

──セクハラ行為はあったということか?

「ありませんよ、そんなの」

──元生徒が被害を訴えている。セクハラの事実は一切ないのか。

「はい。頑張れよ、と肩を触るとかそういうことはありますよ」

──(セクハラ行為に)「おじいさんは許される」といったのか。

「同僚に冗談でそういう話をしたことはありますけど、実際にその言葉どおりじゃないですよ」

 その後は何を聞いても「いっぺんその人と会わせてくださいよ」と繰り返すばかりだった。

※週刊ポスト2014年10月24日号

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