高齢化の波は一般市民だけの問題ではない。かつてステージやマットの上でファンを熱狂させたスーパースターたちにも容赦なく襲いかかる。彼らはどうやって高齢化を「しのいで」いるのか。ロックとプロレスを愛する作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が解説する。
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「ロックバンドの解散とプロレスラーの引退は信じちゃいけない」
ロックミュージシャン大槻ケンヂの名言です。いや、本当に引退→復帰を繰り返すレスラー、解散→再結成を繰り返すロックバンドだらけなわけです。プロレスラー大仁田厚にいたっては、これを何度も繰り返し「信じる方が、いかんのじゃ!」という捨て台詞をはいています。
解散や引退をしていなくても、「この人、いつまで続けるのだろう」というレスラー、ミュージシャンも多数いるわけです。そういえば、来月には伝説のプログレッシブ・ロックバンドYESが来日します。ファンにとっては感涙ものですが、「まだ、やっていたのかよ」と思う人もいることでしょう。この来日公演が発表された際、ネット上で盛り上がったのは、来日を告知するポスターが、老人ホームか、死神の群れに見えることでした。
さて、この高齢で、プロレスを、ロックをできるのかと、誰もが気になることかと思います。「老いを感じさせないファイト」「全盛期を思わせる鬼気迫る演奏」なんて言葉がメディアに載るわけですが、半分くらいはウソです。やっぱり、歳を取ると体力的にキツイわけですよ。太ったり、はげたりもするわけですよ。演奏力も落ちるわけですよ。彼らの加齢を華麗に乗り越えるセコいテクをご紹介しましょう。
【プロレスラー編】
・シングルマッチをしない
→6人タッグマッチ(3対3での対戦)にのみ参戦するのです。自分の出番を少なめにするのです。
・お笑い的な試合に登場
→晩年のジャイアント馬場、ラッシャー木村などがそうでしたね。
・空中殺法をしない
→これで売っていた某大御所は、大都市でしか飛ばなくなりました。
・コスチュームでごまかす
→筋肉が落ちていることを隠すために、ショートタイツではなく、ダボッとしたロングパンツにする上、上半身までタンクトップ、Tシャツを着て隠すのです。60歳をすぎて未だに現役の名レスラー、天龍源一郎選手なんかがそうですね。
・技を受けない
→相手の技はひたすら逃げます。だって、マットに身体を打ちつけるのは危険ではないですか。