横浜DeNAベイスターズから戦力外通告を受けた中村紀洋(41)に、手を差し伸べる球団はあるのだろうか。昨年は不動の5番打者としてチームを引っ張ったが、今年はシーズン前にオリックスから同じサードを守るバルディリスが加入し、開幕二軍スタートとなった。
それでも4月18日に一軍登録されると4番に座り、勝負強い打撃を見せていたが、5月6日の巨人戦で「チームの方針に従わない言動があった」(中畑清監督)ため登録抹消に。以降、一度も一軍に昇格することなくシーズンを終えると、解雇通告が待っていた。
これまで近鉄、ドジャース、オリックス、中日、楽天、横浜と6球団を渡り歩き、トラブルを起こしては不死鳥のごとく甦ってきた中村。しかし、41歳を迎えた今回ばかりは、獲得に乗り出す球団があるのか疑問視されている。
そのなかで、最も注目を集めているのが、古巣・中日の動向だ。中村は、谷繁元信監督や、荒木雅博や和田一浩といった主力選手との関係も良好と言われる。何より、チームの編成権を握っているのは、かつての恩師である落合博満ゼネラルマネージャー(以下、GM)。はたして落合GMが獲得のゴーサインを出す可能性はあるのか。落合監督当時の中日球団関係者が話す。
「実は、2011年オフに楽天を解雇されたとき、当時の落合監督に、ノリをもう一度呼び戻す可能性について聞いたことがあります。すると、落合さんは『どこを守らせるんだ?』と言っていました。サードは森野将彦、ファーストはブランコと不動のレギュラーがいましたからね。
そこで、『右の代打としてどうですか?』と聞いたら、結構考えていたんです。結局、小池正晃や平田良介という右打ちの準レギュラーがいたこともあり、獲得には至りませんでした。でも、今年の中日は、右の代打が明らかに不足していた。落合GMがノリを構想に入れても、何らおかしくありませんよ」