ライフ

姫路城 「平成の大修理」で天守閣に「幻の窓」が発見された

姫路城の天守閣には他にも窓があった

 今年6月、漆喰を塗り直した天守が姿を現わし、真っ白な外観が蘇った「白鷺城」こと姫路城。日本有数の巨大城郭の歴史は14世紀に築かれた小さな城塞に始まり、秀吉によって3重天守を持つ近世城郭に。そして家康の娘婿・池田輝政が城主となって、現存の大天守や小天守が築かれた。

 2009年から始まった「平成の大修理」のため大天守と周辺区画は来年3月末まで立ち入ることはできないが、今回、特別な許可を得て城内へ。姫路市立城郭研究室の工藤茂博氏の案内で大天守へと向かうが、その道は実に複雑だ。何度も折れ曲がり、反転し、坂や階段を上ったり下ったりする。

「侵入した敵を効果的に仕留めるための工夫です。敵のスピードを殺し、城兵の死角をなくし、常に火縄銃や弓などで狙えるように設計されています」(工藤氏)

 たどり着いた大天守の最上6階に大きなサプライズがある。

「南北面に各5つ、東西面に各3つの窓が並びますが、いずれの面も窓の両端は壁でした。ところが今回の修理で土壁を撤去したところ、中から計8つの窓枠が発見されました。調査の結果、築城当時に造られたものと判明。建設途中までは4方向、すべての端まで窓を配し、死角をなくして城下を360度眺望できるようにする計画だったようです」(同前)

 建設途中で窓の数が減らされた理由は記録に残っていないが、構造補強や暴風雨対策などが考えられるそうだ。

 さらに、同じ6階に秘密がもう一つ。柱から柱へと水平に渡された長押に施された星や瓢箪などの絵柄だ。目立たない位置にあるため、ほとんどの見学者は気づかないという。

「くり抜いた部分に、寸分たがわぬ大きさ・形をした別の板をはめ込んだ埋め木です。築城に携わった大工たちが気晴らしに施したのでしょう」(同前)

 由緒正しい国宝に、こんな遊び心が隠されていたとは……。

【姫路城】
●天守創建者:池田輝政
●天守創建年:慶長15年(1610)
●形式・構造:平山城、連立式望楼型5重6階地下1階

写真■文化財建造物保存技術協会

※週刊ポスト2014年10月31日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居正広氏とフジテレビ社屋(時事通信フォト)
【独占告白】経営陣を刷新したフジテレビに被害女性Aさんが望むこと「被害者救済を第一というなら、様々な報道で貶められた名誉の回復を願います」
週刊ポスト
5人での再始動にファンからは歓喜の声が上がった
《RIP SLYMEが5人で再始動》“雪解け”匂わすツーショット写真と、ファンを熱狂させた“フライング投稿”「ボタンのかけ違いがあった事に気付かされました」
NEWSポストセブン
食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《食道がん公表のとんねるず・石橋貴明(63)》社長と所属女優として沈黙貫く元妻の鈴木保奈美との距離感、長女との確執乗り越え…「初孫抱いて見せていた笑顔」
NEWSポストセブン
中居正広の私服姿(2020年)
《白髪姿の中居正広氏》性暴力認定の直前に訪問していた一級建築士事務所が請け負う「オフィスビル内装設計」の引退後
NEWSポストセブン
これまで以上にすぐ球場を出るようになったという大谷翔平(写真/AFLO)
大谷翔平、“パパになる準備”は抜かりなし 産休制度を活用し真美子夫人の出産に立ち会いへ セレブ産院の育児講習会でおむつ替えや沐浴を猛特訓か
女性セブン
ネズミ混入トラブルを受けて24時間営業を取りやめに
《ゴキブリ・ネズミ問題で休業中》「すき家」24時間営業取りやめ 現役クルーが証言していた「こんなに汚かったのか」驚きの声
NEWSポストセブン
愛知県一宮市の住宅内のクローゼットで亡くなっているのがみつかった女子高校生の加藤和華さん(16)。事件から3日経ち、自宅前には花が備えられていた
〈ゲームでカッとなったのか…〉被害女子高生・加藤和華さん(16)の同級生が語った“思い出”「犯人を許せない」【一宮市・女子高生死体遺棄】
NEWSポストセブン
岡田結実
《女優・岡田結実(24)結婚発表》結婚相手は高身長の一般男性 変装なしの“ペアルックデート”で見せていた笑顔
NEWSポストセブン
ウッチャンナンチャンがMCを務める番組『チャンハウス』
【スクープ】フジテレビがウンナン&出川MCのバラエティー番組で小学生発言を“ねつ造演出”疑惑 フジは「発言意図を誤解して編集」と説明、謝罪 
女性セブン
くら寿司
《ピンク色の破れたゴムを…》「くら寿司」が迷惑行為に声明「厳正な対応を行う予定」実行者は謝罪連絡入れるも…吐露していた“後悔の言葉”
NEWSポストセブン
中学時代の江口容疑者と、現場となった自宅
「ガチ恋だったのかな」女子高生死体遺棄の江口真先容疑者(21) 知人が語る“陰キャだった少年時代”「昔からゲーマー。国民的アニメのカードゲームにハマってた」【愛知・一宮市】
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認め全店閉店へ(左・時事通信フォト、右・HPより 写真は当該の店舗ではありません)
【こんなに汚かったのか…】全店閉店中の「すき家」現役クルーが証言「ネズミ混入で売上4割減」 各店舗に“緊急告知”した内容
NEWSポストセブン