小渕優子氏の政治資金疑惑や松島みどり氏のうちわ配布問題で女性2閣僚が辞職した安倍晋三政権。さらには、小渕氏の後任・宮沢洋一経済産業相にもSMバー問題が発覚。塩崎恭久・厚生労働大臣にも地元での口利き疑惑が発覚している。
大臣の権力を国民の利益ではなく、自分の利益のために使う。そうした私利私欲の政治が安倍政権の根っこにはある。
第1次安倍政権は「政治とカネ」の疑惑で4人の大臣が辞任に追い込まれた。
佐田玄一郎・行革相は架空の事務所に「光熱費」「事務所費」など約7800万円を使ったと虚偽の報告をしていたことが発覚してアウト。松岡利勝・農水相が緑資源機構汚職で検察の捜査が迫る中で自殺、後任となった「バンソーコー」で有名な赤城徳彦・農水相は実家を事務所として届け出て政治資金から9000万円の経費を支払っていたことが発覚して辞任した。さらに遠藤武彦・農水相は組合長を務める団体の補助金の不正受給で、在任8日間で辞任した。
第2次政権でも、体質は何も変わっていない。そもそも安倍首相自身が、あらゆるパターンの自民党錬金術を学んできた「政治資金疑惑のデパート」だ。
安倍首相の「政治とカネ」の原点は父の晋太郎・元外相から巨額の遺産を受け継いだときで、当時の制度では、政治家が政治団体に寄付する場合は所得から控除を受けることができた。
晋太郎氏は1991年に亡くなるまでの10年間に自分の政治団体にざっと6億4000万円を個人献金して所得税を節税していたが、その資金を安倍氏は政治団体ごとほぼそっくり引き継いだ。つまり政治資金の仕組みを使った「相続税逃れ」の疑惑がある。そんな政治家が相続税率引き上げ(来年1月)を行なうというブラックジョークに国民はもっと怒っていい。
そうしたやり方は小渕恵三元首相の跡を継いだ小渕優子氏や、橋本龍太郎元首相の後継者・橋本岳氏のお手本となっている。