福岡ソフトバンクホークスが阪神タイガースを4勝1敗で下して幕を閉じた日本シリーズ。日本一決定試合となった第5戦の中継は、関西地区では19.6%、九州地区では26.7%と高視聴率をマーク。だが、関東地区では10.3%とかろうじて2ケタを獲得するに留まった。
シリーズ全体を通しても、関東地区では第1戦の11.8%が最高で、第3戦、第4戦では8%台をマークするなど全体的に低調だった。
両チームの地元では盛り上がったのだが、関東地区までは波及しなかったと言える。しかし前回、同カードで行なわれた2003年のシリーズは、関東地区でも1試合を除いて20%超え。第1戦、第6戦は25%超の高視聴率で、全国規模で盛り上がっていたことがうかがえる。在京テレビ局関係者が話す。
「今年のシリーズは正直、期待外れでしたね。阪神なら、関東でもある程度の数字を取れると思っていましたから。この視聴率なら、通常番組を放送したほうが良かったという声もあるほどです。
以前と比べれば人気がなくなったとはいえ、関東ではやはり巨人が出場しないと、視聴率が見込めないとわかりました。昨年のシリーズは田中将大を中心とした楽天との対決だったこともあり、視聴率は好調。第7戦の27.8%を始め、7試合中6試合で20%以上でしたから」(同前)
今年の日本シリーズの低視聴率は、後番組にまで影響を及ぼした。
「TBSで中継した日本一決定の第5戦直後の『MOZU2』は5.9%、第2戦直後の『ごめんね青春!』は6.7%でした。両ドラマは、放送時間が遅れた影響もないとは言えませんが、今までのシリーズではありえない展開です。
普段、好調な番組も視聴率を落としています。第3戦直後の『報道ステーション』(テレビ朝日系)は9.6%、第4戦直後の『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)は8.8%。ともに、普段は2ケタは堅い番組ですから、シリーズの悪影響が出たと言えます」(同前)
これまで、日本シリーズ中継はドル箱であり、局全体の視聴率を押し上げる優良コンテンツだった。
「日本シリーズがナイター中継になった1994年、テレビ朝日が3~5戦を中継しました。この年は『10.8決戦』を制した長嶋巨人と黄金時代の森西武の対決で、大いに盛り上がり、40%、40.1%、40.2%と驚異的な数字をマークしました。
その好影響は、後番組『のニュースステーション』にも及びました。17.4%、22.9%、34.8%と、日本シリーズ中継と連動して高視聴率を記録したのです。だから、今年、シリーズ直後の『報ステ』が1ケタに終わったことには隔世の感があります」(同前)