便秘に苦しむ人は多い。「1週間出ない」「出産後、ひどくなったかも」など悩む声の多くは女性からだ。しかし男性でも、「平成25年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)によれば若い頃は便秘より下痢に悩む人のほうが多いが、30代後半から便秘を訴える人が増え始め、60代では下痢を便秘が上回る。高齢者では便秘を訴える男女差はほとんどない。つまり便秘は、30代後半以降の世代で男女共通の悩みとなっている。
日本で初めて便秘外来を開設した腸のスペシャリスト、順天堂大学医学部の小林弘幸教授も、便秘はいまや男女どちらにとっても悩ましい問題になったという。
「若くても、ビフィズス菌の減少をきっかけに便秘になりやすくなっているといえます。
腸の働きを整える善玉菌として知られるビフィズス菌は、赤ちゃんは腸内の95%を占めるほど多いのですが離乳するころから減りはじめ、成人になると約10%まで下がります。中年期には減少が加速し、高齢期には1%を切ってしまうことも。ビフィズス菌の減少は悪玉菌占有率を高め、腸内環境が悪化して便秘になりやすくなります。現代人は善玉菌減少のスピードが速く、腸年齢の高齢化も早くやってきていると考えられています」
便秘解消のノウハウについては、女性どうしは様々な情報交換をしている。しかし男性にとっては、悩みを打ち明けづらいこともあり、ひとりでじっと我慢してしまうことも少なくないようだ。では、ビフィズス菌が年齢とともに減っていくなか、どうやったら便秘の悩みは改善されるのか。
「ポイントなのが食物繊維。実はビフィズス菌は食物繊維がないと働けない。さらには、食物繊維を摂る場合、便をやわらかくする水溶性食物繊維と、便のかさを増やす不溶性食物繊維の両方を含むものが好ましい。そこでおすすめなのが、両方の繊維の供給源であるキウイです。果物なら食べるのも手軽ですよね」(前出・小林さん)