ライフ

インフルエンザ予防 「緑茶を飲めば発症割合低下」と専門家

緑茶でうがいをする小学生

 今シーズンも猛威をふるいそうなインフルエンザ。はやくも東京都では9月第2週にはじめてインフルエンザによる学級閉鎖があり、10月からは全国で予防接種が実施されている。冬の健康維持には手洗いやうがい、マスクなど日常的な予防はもちろんだが、2009年に新型インフルエンザが世界で流行して以来、ヨーグルトやはちみつなど予防効果がある食品への関心が高まっている。なかでもいま、もっとも注目を浴びているのは緑茶だ。

 静岡県島田市の一部の小中学校では、2006年から給茶機が設置され、蛇口からいつでも緑茶を飲めるようになっている。給食の時間には牛乳だけでなく緑茶も出され、休み時間や体育の後、昼休みなどにも子どもたちは緑茶を飲み、うがいも緑茶でしている。「緑茶の効果なのか、この学校は風邪などで休む子どもが少ないような気がします」と教師が言うように、緑茶の活用が効果を上げている。

 お茶どころでもある静岡で経験として語られる緑茶の効果は、科学的にも証明されつつある。株式会社伊藤園中央研究所と静岡県立大学薬学部の山田浩教授、社会福祉法人白十字会・白十字ホームの田熊規方医学博士の共同研究により、カテキンを含む緑茶成分にはインフルエンザの予防に効果があると示された。

 介護・医療福祉施設に勤務する21歳から69歳の成人ボランティア196名のうち97名に、5か月間、1日3回、緑茶成分のカプセルを摂取してもらい、摂取しない残りの99名と比較した。すると、緑茶成分を摂取しなかったグループでは13.1%もの人がインフルエンザにかかったのに対し、摂取したグループでは発症者が4.1%と発症割合が明らかに低くなっていた。

「カテキンをはじめとする緑茶成分が、抗ウイルス作用、免疫賦活作用を発揮し、健康に役立つと考えられています。緑茶は熱くても冷たくても主要成分である緑茶カテキンの作用は変わりません。また、緑茶によるうがいと同様、飲用がインフルエンザの発症を予防することが研究で期待される様になりました。緑茶はインフルエンザのタイプに関わらず予防効果を発揮します。

 日本人の健康寿命を支える和食が世界で注目されるようになったことで、緑茶の健康効果にも関心が高まっています。今後の研究で、緑茶のほかの病原性ウイルスに対する効果も明らかになることを期待したいと思います」(前出・山田浩教授)

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン