今年もインフルエンザの流行が全国的に拡大している。昨年より3週間も早く流行入りしたうえ、すでに患者数は16万人を超えているだけに、多忙な年末に罹りたくないと警戒している人も多いだろう。
日頃のインフルエンザ対策として身近なマスク。市場調査会社・富士経済によれば、家庭用マスクの市場規模は232億円(2014年見込み)。新型インフルエンザが世界的に流行した2009年の340億円には及ばないものの、花粉症やPM2.5の脅威もあり、マスクに対するニーズは依然高いと分析している。
最近では症状がなくても常にマスクを装着する“マスク依存症”や、オシャレ感覚やノーメーク隠しが目的の“伊達マスク”姿も目立つようになったが、「さすがにこの季節は『機能性重視』でマスクを購入する傾向が強い」(大手ドラッグストア店員)という。
ドラッグストアやコンビニでも様々なタイプ・価格のマスクが売られている中、どんな商品を選んだらいいのだろうか。
前出のドラッグストア店員によれば、売れ筋は『クリーンラインコーワ三次元マスク』(興和)や『超立体マスク』(ユニ・チャーム)、『サニーク 快適ガードプロ』(白元)など。その他、香り需要の高まりで『のどぬ~るぬれマスク』(小林製薬)や、『メントールマスク』(アイリスオーヤマ)といった付加価値商品も人気だという。
では、たくさんの種類があるマスクの違いは何か。呼吸用保護具(産業用マスク)のフィット感を研究している労働科学研究所の飯田裕貴子さんに聞いてみた。
「市販されているマスクの多くが不織布(ふしょくふ)タイプの商品で、普通の綿(ガーゼ)タイプと比べて花粉やウイルスなど粒子の捕集性能が高くなっています。商品によって『ウイルスの侵入を99%カット』などと書いてあるものもあり、フィルターの性能上は各社の試験通りです」
しかし、いくらマスク自体が高機能でも、顔にピッタリと装着できなければ全く効果がないという。
「鼻や頬の横、顎などから空気が漏れ込んでしまうようなマスクを選べば捕集効率は0%になってしまいます。顔の大きさや形は人それぞれ違うので、価格や機能よりもまずはフィット感で相性のいいマスクを探し出すことが重要です」(飯田さん)