やしきたかじんさんや蟹江敬三さん、林隆三さん、淡路恵子さん、山口淑子さん、土井たか子さん、“6人めのTOKIO”と親しまれた三瓶明雄さん、また昭和の映画史を代表し多くの人々を魅了した高倉健さんに菅原文太さん……そのほかにも数多くの著名人が、2014年に亡くなった。その時折々の追悼番組だけでなく、年末に1年を振り返る番組の中には、こうした人たちの在りし日の姿を紹介する企画も多い。
しかし、ニュースや報道によって、多くの人がその死を知るのは、一部の著名人に限られる。そのためこの時期には「喪中はがき」という形で、知人や友人の関係者などが死去したことを知らされる人も、多いのではないだろうか。ある程度親しい関係でも、親族の不幸を知らずにいたり、しばらく会えていなかった友人が、急な死を迎えていた……といったケースも、年を重ねると増えてくる。
「喪中はがき」を送り、新年の挨拶をしない旨を伝えることもそのひとつだが、身内が亡くなった際には「喪に服する」として、1年間は慶事を控えるなどの慣例がある。こうした文化や風習には、一般的なマナー同様に地域や家庭によっても異なるケースがあるほか、時代と共に変化する側面も。現代のマナーとして、「喪中はがき」を受け取った際には、どういった対応が適切なのだろうか? 葬儀相談員の市川愛さんはこう語る。
「喪中の家族は、初詣にも出かけず、松飾もありません。そして、年賀状も届かないので、とてもさみしいお正月となります。そんな中で、年賀状を受け取りたいと思う方もいらっしゃいます。年賀状を受け取ることが失礼に当たるのではないかと考える人も多いですが、実は、喪中でも年賀状を受け取ること自体はマナー違反ではありません。
誰とも年始のやりとりがないので、年賀状を出すということは、そのようなご遺族を励ます意味合いもあるのです。喪中の家に対する振る舞いというのは、厳格には決まっていませんし、年賀状を送ること自体はマナー違反ではありませんが、新年を喜ぶ『年賀』という言葉が気になる方も多いでしょう。そこで、新年の挨拶場としての『年始状』、もしくはお見舞いの気持ちをお伝えする『喪中見舞い』を出されてはいかがでしょうか。配慮とお悔やみの気持ちを示すことが大切です」