年末年始に、旅行に出かける人も多いだろう。地元の美味いものはどうやって探せばいいのか。札幌出身の作家で人材コンサルタントの常見陽平氏がアドバイスする。
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年末年始ですね。旅行に出かける人も多いことでしょう。ここでは、国内の観光地で美味しくて、リーズナブルな価格の店に出会う方法をお伝えしましょう。結論から言うならば、現地在住のビジネスパーソンに聞くのが一番です。
「常見さん、札幌に行くんですよ。美味しい店と、オススメのお土産を教えてください」
北海道札幌市出身の私には、年中、友人・知人からこんな相談がきます。大好きな故郷、札幌のことを知ってもらうべく、もちろんその都度、ニーズを聞きつつ、一生懸命喜んでお答えするのですが、たまに、「申し訳ないな……」と思うことがあります。というのも、札幌には、今も出張や帰省で年に4回くらいは行っているものの、滞在期間は短いわけで。その時間を有効活用しようと考えるため、ついつい長年通っているお店に行ってしまうわけですよ。地元の人に連れて行ってもらうお店がたまにレパートリーに増えるくらいです。
「常見さんが、好きなラーメン屋はどこですか?」とよく聞かれるわけですが、そのたびにご紹介するのは……。
・福来軒(すすきの店)
・来々軒(すすきのラーメン横丁)
・天鳳(すすきのラーメン横丁)
・寳龍(総本店 すすきの)
・純連(札幌本店 澄川)
・すみれ(札幌本店 中の島)
くらいなわけです。最近、これに千寿という大通公園と札幌駅の中間くらいにある店が加わったくらいです。生まれた頃からずっと変わらないわけです。どうせ帰省するなら、新規開拓もいいのだけど、いつもの好きなものを食べたいと思ってしまうわけで。いや、これらのお店は、十分にご満足頂けると思いますよ。全国的にも知名度の高いお店なので、自慢できますし。
ただ、今年のはじめに頂いて読んだ『ラーメンをつくる人の物語』(HS)という、地元の出版社が出した本を読むと、札幌ラーメンも、えびスープだとか、塩味が売りの店だとか、新興のお店が盛り上がっているようなのですよ。全然、知りませんでした。
だから、「観光に行く際は、出身者にオススメを聞け」というのは、実は命中率が低いと思うのですよ。出身者、帰る頻度にもよりますが、たいていは知識が止まっていますから。これ、いかにも古い観光ガイドブックがすすめる内容とあまり変わらないと思うのですね。