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毒蝮三太夫がラッパーに「談志なら似合ってると言うだろう」

ラッパーデビューした毒蝮三太夫

 毒蝮三太夫という名前を聞くと、パーソナリティをつとめるラジオ番組で、訪問先に集まった人たちと当意即妙なトークを繰り広げているイメージが強い。歌手のイメージはほとんどないと思われるが、先ごろ「おもしろおじさん feat. CHOP STICK , 丸省 and 毒蝮三太夫」という曲に参加し、78歳でラッパーデビューを飾った。18年ぶりの音楽活動について、毒蝮さんを直撃した。

 * * *
――ラッパーデビューおめでとうございます。

毒蝮三太夫(以下、毒蝮):そんなもの、めでたかぁないよ!(笑)。イヤイヤやってるんだから(笑)。受けてヒットしたから紅白歌合戦なんてふざけて言う人もいるけど、やる気ないよ。だって俺、あんなことやらなくても食えるし(笑)、楽しい。ただ、俺を面白がってくれる人たちがいるというのは嬉しいよね。しかも俺も楽しんでいる。毎日、面白く生きている俺が、若い人からみた老人の生き方の典型になればいいと思う。

――久しぶりのレコーディングはいかがでしたか?

毒蝮:何分間かでレコーディング終わっちゃったよ。だって、普段喋っているとおりでいいんだから。つくった感じはまったくないよ。普段の放送の通りに『ババァくたばってんじゃねぇぞ! ジジィ寝てんじゃねぇぞ!』て喋っているのを録音したんだから。

――PVではギャングスター風のファッションに身を包み、ダンスも披露しました。

毒蝮:わからないうちに服を着せられて、振り付けなんかないから勝手に動いただけだよ。でも、あのリズムは踊りだしたくなるね。このあいだ車を運転して高速道路を走っていたとき、あの曲をかけていたら『踊りたくなるわね』てウチのかみさんも言っていたよ。クラブっていうところには50代の夫婦も来るんだってな。ラッパーもアフロヘアだったり坊主もいたり変な格好をしているけれど、みんな根は真面目で偽悪者ぶってるよ(笑)。悪者の偽物だだけど、発散するところがないから踊るんだろうな。

――もともと音楽には自信があったのでしょうか?

毒蝮:自信なんてないよ(笑)。歌は好きだけどね。声変わり前はボーイソプラノで、学校の唱歌が好きで成績は「優」だった。でも、この声になってからは全然。レコードも今まで3枚か4枚出しているけれど、売れてない(笑)。酔った勢いで、カラオケで河島英五の『時代おくれ』や吉幾三の『酒よ』を歌うことはあるけどね。

――では今回、高野政所ことDJ JET BARONさんからオファーがあったのは意外だったのでしょうか?

毒蝮:いや、俺にとっちゃあ驚いたことでも不思議なことでもないね。俺の喋りをラップだと思ってくるのは当然だなとも思う。言葉もリズムなんですよ。リズムが悪いと聞いていても疲れる。俺の長いしゃべりでも疲れないというのは、リズムがいいんだろうね。

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