昨年話題になった映画やドラマは「女性発」の人間関係や恋愛話で溢れていた。
ディズニー映画の大ヒット作『アナと雪の女王』、高視聴率を叩き出したNHKの『花子とアン』、既婚女性のW不倫が話題となった『昼顔』(フジテレビ)、“マウンティング女子”という流行語を生んだ『ファーストクラス』(フジ)……。
これも女性活用の時代、“ウーマノミクス”の影響か。女性の絡みが注目を浴びる現象を<からまる女子>と名付けたのは、トレンドウォッチャーとして知られる『日経BPエンタテインメント』編集委員の品田英雄氏だ。
2015年も引き続き女性が主導権を握り、男性はますます頼りない存在になってしまうのか。品田氏に占ってもらった。
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昨年ヒットした映画やドラマをみると、良くも悪くも女性たちが世の中を元気にしていくんだ――という時代の空気をひしひしと感じます。
『花子とアン』、『昼顔』、『ファーストクラス』(第1期)はいずれも女性脚本家が手掛け、ときに女性同士の微妙な関係も描いています。女性だけしか気付かない世の中の変化を再現することに成功すると同時に、男たちが想像する女性像はとっくに通用しないことを明らかにしました。
女性同士が順位づけをする行為の「マウンティング」も、女子中や女子高では常にあった話ですが、“見える化”をしたことで改めて女性同士の一歩踏み込んだ関係に驚かされた男性も多いはずです。
『昼顔』では人妻たちの恋愛ニーズを浮き彫りにしました。これまで不倫をテーマにしたドラマといえば、しょせんは作り話で日常生活とかけ離れているから憧れるんでしょ? と男性たちは思ったはずです。
ところが、フジテレビの情報番組「ノンストップ」が恋する既婚女性を「昼顔妻」と呼んで度々特集を組んだところ、当人たちの投稿が次々と寄せられたのです。
“壁ドン”にときめく女性がたくさん出てきたのも、恋愛に対する再評価がなされているから。リアルな壁ドンのシチュエーションはなかなか考えられませんが、「白馬に乗った王子様は現れず、周囲には頼りない男性しかいない」という女性たちの不満の裏返しともいえます。