「おもしろおじさん feat. CHOP STICK , 丸省 and 毒蝮三太夫」というダンスミュージックのレコーディングに参加しラッパーデビューを飾った毒蝮三太夫といえば、ラジオ番組で「ババア、まだ生きていたか」など罵りとも取れる言葉をかけながら、人々を爆笑させている。笑顔をたくさん見ているはずの毒蝮さんだが「今の時代、若い人もババアもジジイも表情が良くない」という。どうすれば、毒蝮さんのようにチャーミングな笑顔で面白く生きられるのかを聞いた。
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――お年寄りのアイドルと言われていますね。
毒蝮:勝手に言われてるんだよ。年寄り向けに喋っているんじゃない。ラジオ番組の時間が平日の午前中だから45年前から年寄りが多くて、そこにいる人と話していただけ。若い人が集まっていれば若い人へ向けて喋ったよ。そして、来ている人をみて素直に「ババア」といい「汚ったねぇ」と言っているだけ(笑)。きれいな人にはババアなんて言わないよ。ババアをお嬢さんと呼ぶのも嘘だよ(笑)。俺はそんなこと言えないよ。流行も追いかけないしね。
――時代の流行は無関係ですか
毒蝮:流行語大賞ってあるけれど、ちっとも興味がない。国会議員でも流行語を使う人がいるけれど、使い捨てされるのになんであんなものを使うかね。俺は自分の言葉で、自分の年齢で喋っているだけ。だから、俺が話すことで年寄りが笑っているのが若い人には不思議なんだろうな。それでラジオの公開放送を見に来る若い人が最近は増えたね。
――実際に『ミュージックプレゼント』での様子をみた若い人たちの反応はどうですか?
毒蝮:あれは悪口じゃないんだ、罵詈雑言じゃないんだ。あれは非常にあったかいコミュニケーションの言葉なんだということに気づくんだよ。それで、ラッパーの連中が「おもしろおじさん」と持ち上げてくれて、今回のレコーディング参加の話になったんだね。俺はもう後期高齢者なんだけどね(笑)。
――長年、ラジオ番組で多くの人に接していて人々の様子に変化はありますか?
毒蝮:最近の人は笑顔が少ないね。表情も豊かじゃない。携帯やパソコンとか、そういう文明の利器を使うことで人と接しなくても物が足りるようになった怖さだね。今、大学で教えているけど、学生がずっと下向いているんだよ。こいつら寝てるのかな、と思っていたら、ちゃんと授業を聴いてるんだよな。レポートもちゃんと書いてくる。だけど、顔をあんまり見ないんだよ。
やっぱり、顔と顔を、face to faceということの大事さを俺の元気なうちは教えたい。そういうことをPRしたいよね。
――表情が乏しいのは、若者に特にあらわれていますか?
毒蝮:年寄りだって、笑顔がステキでオシャレで、素直で柔軟に、みずみずしくならないと。年を取るのも楽しいぞと年寄りには思ってもらいたい。それにはまず健康だね。もし、俺が老人ホームで暮らすようになっても、毎日、面白いと思うよ(笑)。
そうすりゃあ若者も年寄りが好きになって、ああいう年の取り方をしたいと思って結婚もすると思うんだ。いま、結婚しない人が多いし子どももいらないって言う。男がいなくても女同士のほうが楽しいからって女子会やるんだろう? 5時間も話しているっていうじゃないか。でも男子会はきかないよな。どんどん男は取り残されるよ。