深夜のバラエティー番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)が好調だ。同時間帯断トツの7%を超える視聴率を記録。深夜帯としては高い数字をたたき出している。同番組は、講師のタレントが、自らのしくじりエピソードを笑いにしながら“俺みたいになるな!!”と語るバラエティー。人気の秘密は、いったいどこにあるのだろうか?
「今、業界で話題になっている番組のひとつです。昨年11月には、ギャラクシー賞月間賞を受賞してもいますしね。放送作家の間では、『昨日、しくじり見たか?』、そんな言葉が交わされることもしょっちゅうです。今は24時台の放送ですが、いずれは時間帯が繰り上がることもあるかもしれません」(ある放送作家)
番組の構成はとてもシンプルだ。『しくじり先生』というタイトル通り、講師のタレントのトークが番組の中心。これまで、ドランクドラゴンの鈴木拓、西川史子、藤崎マーケット、獣神サンダーライガー、元木大介ら、幅広いジャンルの著名人が講師を務めてきた。その話に、担任のオードリー若林正恭、生徒の平成ノブシコブシ吉村崇らが突っ込みを入れながら、30分間、テンポのいい”授業”が展開される。
コラムニストのペリー荻野さんは、講師が授業をするというこの形が番組の面白さのポイントになっていると指摘する。
「ひな壇の番組が多い中で、ひとりの人に賭けてエピソードを系統立てて話をさせるスタイルは最近、珍しい。トークの基本に立ち返ったことで、ひな壇に飽きてきた視聴者の心をとらえたのでしょう。ひな壇の場合、1人がウケなくても別の人が補えるというメリットがあるけれど、トークという意味では物足りなさがありますからね。また、授業スタイルはバラエティーの定番ですが、生徒から質問や突っ込みが入りやすいので、芸人のような話術を持たない人が講師をやっても話が広がりやすくなります」
最近では、1月8日に放送された元衆議院議員の杉村太蔵が講師を務めた回が、ネット上で話題を呼んだ。杉村はかつての失言などについてぶっちゃけトークを連発。ハニートラップにかかりそうになった、清掃員をやっていた時、ヘッドハンティングされて証券マンになった、などの秘話を紹介。さらに、議員時代に批判されながら、心に留めていた座右の銘が「うるせぇ」であると語り、ネット上には、「ヤベーやつ」「逆に好感が持てる」「神回」との声が上がった。
「これだけ言った潔さに一票を入れたい。いい話じゃなくても、行くところまで行くと逆に評価が上がるというケース。最近、彼は『バカでも資産1億円』という著書を出版しましたが、お金だけではなくブラックな部分も腹の中に溜めこんでいたのかも(笑い)。それを一気に吐き出したという感じさえします」(前出・ペリー荻野さん)