「最近は、首都圏だけでなく地方でも増えている面白い動きがあります。地方では土地そのものが安く、新しく建てても全体としてコストがかかりません。それでも古い建物を利用しようという背景に、インテリアもですが、古く使い込んだレトロなものが受けている流行があります。実際、空き家も増えていますから、今後さらに広がるでしょう」
部屋が余り、家賃が下がり、これまでに比べて好きな場所に住めるようになった今、これからは家賃、通勤時間といった数字やハード情報のみで部屋を選ぶのではなく、例えば「婚活に効く部屋」「快眠できて美容に良い部屋」「子育てに良い部屋」などと、自分が望む暮らしや、理想の自分、要望から部屋を選ぶ時代になったと中川さんはいう。
「例えば婚活している女性なら、桜、夜景、花火…口実は何でもいいですが、誘える口実がある部屋がいいです。誘った後、部屋を片付けるための時間稼ぎの場として近くにコンビニなどがある立地を選ぶとか、収納が豊富だと散らかりにくく、慌てて片づける時に物を放り込める。胃袋をつかむために、コンロは2口以上など料理しやすい部屋を選ぶ。居室にトイレの音が響きにくい間取りを選ぶ。男性も女性と同様です。部屋にこだわりを持って“語れる物語”があると、モテに繋がりますよ」
昨年11月、HOME’Sが824人の男女に行った調査によると、部屋にこだわりのない男性の彼女いない度は、こだわりのある男性より有意に高いとの調査結果が。また、部屋に満足していない人の約6割が体調に不調を感じているとの回答も。新居は自分の目的重視で選ぶことが重要のようだ。