今クールの民放連続ドラマは、3強の争いになりそうだ。初回視聴率では、杏主演のフジテレビの月9ドラマ『デート~恋とはどんなものかしら~』が14.8%で首位に立った。3年前、視聴率40%越えで話題になった『家政婦のミタ』のスタッフ制作で話題の『○○妻』(日本テレビ系)は初回14.4%とわずかに劣ったが、2話では15.2%と数字を上げてきている。テレビ朝日得意の医療ドラマ『DOCTORS3~最強の名医』は、3話連続で14%台を獲得し、安定した力を見せている(視聴率はビデオリサーチ社調べ、関東地区。以下同)。
局別に見ると、TBSの不調が目立つ。かつて“ドラマのTBS”と呼ばれた面影はなく、期待作『流星ワゴン』は1話11.1%、2話11.7%と伸び悩み、全5作中3作が視聴率1ケタ台に甘んじている。テレビ局関係者が話す。
「ドラマは、その局全体の勢いを現すひとつのバロメーターです。たとえば、TBSの不調は、『あさチャン!』や『いっぷく!』という帯番組が低視聴率なのも影響している。いまや朝の情報番組は、ドラマ宣伝の役割も兼ね備えていますからね。特に初回の視聴率は宣伝量の影響が少なくない。宣伝量とは、“宣伝で出演した番組の視聴率の合計”とも言い換えられるでしょう」
『美しき罠~残花繚乱~』の主演である田中麗奈と若村麻由美は、初回放送日の1月8日、TBSの帯番組に出ずっぱりでドラマの宣伝に励んだが、視聴率は6%に終わった。
「この日の視聴率は、『あさチャン!』が3.4%、『いっぷく!』が2.7%といつも通り良くなかった。『ひるおび!』は6.2%(午後の部)と民放同時間帯2位でしたが、『Nスタ』は放送開始直後の16時前に登場。この時間帯は4%(第0部)。帯番組が弱いTBSの場合、他局と比べると、どうしても宣伝力が落ちてしまいます」
一方、フジテレビは、全5作中4作が初回2ケタ発進と好調なスタートを切っている。
「局全体としては、不調が伝えられているだけに意外とも言えますが、実はフジの帯番組は今、絶好調なんです。『めざましテレビ』は相変わらず視聴率2ケタだし、『とくダネ!』も常時8~9%近く獲っている。『ノンストップ!』も好調で、この午前中3番組はいずれも同時間帯1位。となれば、TBSとはドラマの宣伝力が断然違ってくる。